医学的根拠のない情報も
3)不妊治療クリニック、製薬会社の情報サイト
製薬会社やプライベートの不妊治療クリニックのサイトも多くの情報を出しています。医師や研究者など専門家の情報なので信頼はできますが、クリニックの情報は最終的には自分のクリニックへの誘導となります。クリニックのサイトでは「情報開示」の仕方が信頼につながります。お金のかかる自由診療(保険外)なので、どのような治療にどれぐらいお金がかかるのか、受診前の安心につながるよう、きちんと開示があるクリニックが良いと思います。
妊娠についての本も、プライベートクリニックの医師が書いたものは、最終的には自分のやっている治療への誘導が含まれます。不妊治療は、クリニックによってかなり違い、どの医師も「自分の治療が一番患者のためになる」という強い信念を持っています。中立的なものではありませんが、本を読んでこれはと思った医師のクリニックを受診するという選び方もあります。
4)中立的な情報
私が「妊活」の本を書こうと思った時、パートナーに誰か専門家をと思っていたのですが、たまたま出版社から共著者として紹介していただいたのが、齊藤英和先生でした。彼は国立成育医療研究センターの医師であり、最先端の情報に接する中立的な立場です。国立、県立、私立などの病院、大学病院、研究機関などの医師が発信する情報は中立的なものと考えてもよいでしょう。
そのほか学会、保健所、厚生労働省などのサイト、地方自治体の発行する情報ブックなどがあります。大分県など独自のガイドブックを作成している自治体もあるので、保健所などに問い合わせてみてください。
5)雑誌およびそのサイト
女性誌などは、一見中立的な情報にも見えますが、医学的な情報とそのサイドにある情報が入り混じっています。例えば、後ろのほうの記事ページに医師へのシリアスなインタビューがあり、「高齢出産がいかに難しいか」という情報がある。しかしファッショングラビアでは40代で産んだ女優さんなどの幸せな笑顔が踊ります。広告媒体でもある商業誌としては読者に希望を与えるポジティブなものと、シリアスなものの両方の記事が必要です。またサプリメント、ヨガ、鍼灸や栄養指導など、サイドの情報も豊富ですが、医学的な根拠がないものも多数含まれています。