――女性誌などでは定期的に「友だち特集」を組みますよね。友情の大切が見直されているのでしょうか。

従来は、多くの日本人にとって「企業」が家庭みたいなもので、同僚が友だちでもあり、家族でもありだったのが、今は壊れている、そういうことじゃないでしょうか。それに、ホリエモン事件のようなことが起きると、彼に友だちはいたのか、彼の以前の同僚が、彼の悪口を言ったりするのを見て、お金があってもむなしいんじゃないかと、みんな気がついてきている。

――ホリエモンには、「お金で買えないものはない」という有名なセリフがありましたが……。

友だちは買えないってことにみんな気がついたんです。あれだけ華やかで、なんでも持っているように見えた人が、傍から見れば友だちがいなくてすごく孤独に見える。本当のところはわかりませんけどね。そういう中で、恋愛の対象とか仕事の関係じゃない、同性の友だちとの友情が必要なんじゃないか、という。

――どうしたら価値のある友情を築けるんでしょう。

女性は、社会的にはマイノリティというか、弱い立場にあるわけですから、女性同士で助け合って、一緒に乗り越えていかなくてはならない問題がたくさんあると思うんです。それなのに、お互いの間の微妙な差異を、ものすごく深刻に受け止める。

たとえば、私も取材して書いたことがある、不妊治療を受けている女性たちは、同じ悩みを抱えた仲間同士で、仲良く励まし合っていると思うかもしれませんが、彼女たちの間では競争があります。「私はできたけどあなたはできない」とか、「1人目不妊」と「2人目不妊」の違いとかで、警戒しあって、冷たい視線を送りあって、足を引っ張り合ったりしていて、そういう状況では友情はまったく生まれないという現実があります。

雅子さまと紀子さまも、民間から皇室に嫁いだたった2人の女性という共通点があり、協力しあいそうなものなのに、報道されている限りでは、仲良くやっているようには見えなません。むしろ、お二人の違いが際立っている。それが象徴していますよね。