こんな症状が続くなら要注意
たとえばこんな症状はないでしょうか?
長い期間疲れが続いている。
やる気はあるのに、体がなぜか動いてくれない。
毎朝「今日も体が重い」という感覚から1日が始まる。
休日はずっと横になって休んでいるのに、月曜日になっても疲れは取れていない。
友人からの誘いを「体調が悪くて」と断り続けて、だいぶ経つ――。
疲れの感覚やつらさは、ほかの誰かと共有することができません。
「自分に甘いだけなのかな……」「もっと頑張れるはずなのに」そうやって自分を責めながら、そのまま放置しているとしたら、ぜひこの病気について知っていただきたいと思います。
慢性疲労症候群は、「慢性疲労」という名前から「ただの疲れやすい体質」と誤解されがちですが、実態はまったく異なります。
この病気は、神経系や免疫系などの異常の関与が研究されている疾患です。
そして、その症状は軽いものから重度なものまで、かなりの幅があります。
医学研究では、この病気による生活への支障の大きさは、心不全や多発性硬化症(脳・脊髄の神経が障害される病気)と同等かそれ以上であることが示されています。
海外の推計では、患者全体の最大約25%が、経過のどこかで外出困難または寝たきりの状態になるとされています。
病院を受診しても見逃されてしまう
そして慢性疲労症候群の最もやっかいなところが、病院を受診しても見逃されてしまう点です。
仕事に行けないほどのつらさを抱えて受診しても、通常の血液検査や画像検査では異常が見つからず、検査結果は「正常」。そして医師からは「気のせいでは」「ストレスでしょう」と言われる――。
たとえば、Cさん(34歳・女性)の例を見てみましょう(図表1)。
Cさんはあるとき、新型コロナウイルスに感染しました。
治療を受け、回復したはずでしたが、何週間経っても体のだるさが消えませんでした。内科で血液検査を受けたものの「異常なし」。医師からは「安静にしていれば治る」と言われましたが、3カ月が過ぎても状態は変わりません。
その後Cさんは、神経内科・心療内科・婦人科・整形外科……と全部で5つの診療科を転々としましたが、どこでも「検査結果は正常」「自律神経の問題では?」「うつかもしれない」などと言われ続けました。
結局、慢性疲労症候群という診断にたどり着くまでに、発症からなんと2年以上が過ぎていました。恐ろしいことに、こうした事例はよくあることなのです。
でもそれは――医学の限界だったのです。

