無理なく継続するためのおすすめの歩数
女性の2人に1人は90歳以上まで生きる時代です。でも、ただ長生きすればいいわけではありません。どう生きるかが大事です。私が最も重視しているのは、「歩けるかどうか」。歩けなくなったとたん、生活の自由度は一気に下がります。
多くの調査データでも紹介されていますが、“元気な高齢者”の条件は、よく歩くこと。「歩ける人ほど長生き」というのは医学的にも事実です。よく歩くことは認知機能の維持にも役立ち、週3回以上の早歩き程度の強度の運動習慣のある高齢者は、認知症になるリスクが低いと報告されています(国立研究開発法人国立長寿医療研究センターの調査より)。
私自身、毎日1万歩を目安に、ふだんから積極的に歩くようにしています。歩数を稼ぐために1駅分歩いたり、階段を使ったり。高齢者が無理なく継続するには、一日6000歩程度がおすすめです。
適度な運動で体を動かし、今ある能力を維持していくことが大切です。
また、私は愛猫との朝散歩を欠かしませんが、午前中の軽い散歩もいいでしょう。日光を浴びることでセロトニンの分泌が促され、気分が安定しますし、体内でビタミンDの生成を助けますから、骨や筋力の維持、睡眠リズムの改善に役立ちます。一日10分、週2〜3回から無理のない範囲で習慣づけてみてください。
短命に終わる理由ははっきりしている
現在、100歳以上の人口は増えており、10万人に迫る勢いです。百寿者は今や「特別な人だけの世界」ではなく、日々の積み重ねがその未来をつくるといえます。
長生きできる方法の正解はまだありませんが、短命に終わる理由ならはっきりしています。暴飲暴食、過剰な飲酒、喫煙、睡眠不足、生活習慣病の放置、孤立、ストレスです。これらを徹底的に遠ざけましょう。そして、長寿の人に共通しているのは、「まだやりたいことがある」という意欲です。
くめども尽きぬ興味や意欲があり、夢や目標を持つことこそが、生命力を高めます。高齢からの人生において、「もう年だから」「人生のピークは過ぎた」「今さら夢なんて幻想だ」と考えていませんか? しかし、そんなことはありません。
私の半生を振り返ってみると、60代から花開いたといっても過言ではなく、それまでは実に苦難の連続でした。医師になるという子どもの頃からの夢は叶いましたが、長年、無給の医局員に据え置かれ、大きな実績も上げられないまま東大を去ったのは、これまで述べたとおりです。
自身の凄絶な更年期体験から性差医療という生涯の研究テーマを得、その第一人者として女性医療の発展に貢献できるようになったのは、ほんの20年前のこと。80代になり、我慢やしがらみ、忖度から解放され、自分の好きなことのために自由に時間が使えるようになった今が、やっとたどり着いた人生の黄金期です。まさに、人生のピークが後半にやってきたといえるのです。


