軍艦巻きのイクラやウニは原価を操作しやすい

これは、回らないほうの寿司店の話です。回らない寿司店では、どうやって原価をおさえているのでしょう?

まず、ネタの仕入れ値が高いときは、ネタの切り方や盛り方を減らして、原価をおさえています。とりわけ、軍艦巻きのイクラやウニは、ネタを盛る量を操作しやすく、イクラ100グラムで6貫から10貫くらいまで盛り分けることが可能だといいます。

また、ウニはグレードが千差万別の食材です。少しくらい質を落としても、お客に気づかれることはまずありませんし、盛りを減らせば原価を低くおさえられます。

マグロの場合は、あからさまに小さくカットするわけにいかないので、ネタの面積はそのままに、1枚のネタを薄めに切って、ネタの重さを軽くしています。

あるいは、マグロは客へのサービス品と割り切り、その分、玉子焼きや納豆巻きなど、原価の安いネタで全体の原価率をカバーしようとしている店もあります。寿司店は、扱うネタの種類が多い分、原価を操作しやすいビジネスなのです。

納豆巻き
写真=iStock.com/ Asobinin
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伊勢エビが他のエビの何十倍も高い理由

伊勢エビの値段は、他のエビの何十倍もします。そのいちばんの理由は、伊勢エビが「か弱い存在」であることといっていいでしょう。自然界の弱者であることが、他のエビに比べて、値段が高いことの理由なのです。

伊勢エビは、プランクトンの時代から、一貫して海中の弱者です。卵からかえると、まずフィロゾーマと呼ばれるプランクトンになるのですが、その頃から脚が折れやすく、2、3本も折れると、エサをとれなくなって、あっけなく死んでしまいます。

しかも、そのひ弱な時期が約10カ月間も続きます。そのため、伊勢エビは、無事に成長できる個体の割合がひじょうに少ないのです。

では、養殖はどうかというと、これがまた難しい。伊勢エビは稚エビの期間が、他のエビに比べて長く、商品になるサイズまで成長するのに2年はかかります。その間、無事に育て上げることが難しく、養殖が困難なことも値段が高い理由となっています。

さらに、近年は、インバウンド客による飲食店需要が増え、値段がさらに上がっています。