客数は減っているのに売上高が増えているワケ

ユニクロの国内売上高は25年8月期で1兆円を突破して、国内の占有率は高まる一方だが、同時に売上高の拡大も限界点が近づきつつあるといえる。それでもまだジワジワと売上高を伸ばしているところがユニクロの強さではあるが、国内の人口にも限りがあり、インバウンド客の増加で多少は補えるとしても青天井の伸びは期待できない。

それはユニクロの月次売上報告にも如実に表れ始めている。2025年9月~2026年8月の1年間の各月既存店売上高を見ると、客数(買い上げ客数)が前年同月を下回った月が6つある。要は年間の半分は買い上げ客数が前年同月を下回ったということになる。それでも既存店の年間売上高は前年比5.1%増でフィニッシュしている。なぜかというと、客単価が全ての月で前年同月を上回っているからである。増加幅は各月でバラつきがあるが、1.1~8.6ポイントの増加である。

特に直近の今年8月は、既存店売上高が前年同月比1.3%減、客数が同9.1%減なのに対して、客単価が同8.6%増と大幅に増加している。客数が9%以上も減少しているのに売上高が1.3%減でとどまったのは客単価の大幅増によるところが大きい。

出店し尽くしたユニクロがさらに売り上げを伸ばすためには

2020年以降の物価高でユニクロも毎シーズン値上げを繰り返している。また、処分品の最終値下げ価格も高止まりしている。こうしたことも客単価を押し上げた要因の一つといえよう。国内の人口が増えないことに加え、アパレル小売市場で今以上に占有率を高めることが至難の業であることから、客単価の増加を主眼政策に掲げていると考えられる。

それでもまだ成長を模索するというのがユニクロイズムというか柳井イズムだから、次に取り掛かろうとしているのが、1店舗あたりの売上高をさらに増やすことである。その具体策が先日発表された「グローバル旗艦店を増やす」という施策であると考えられる。

ユニクロの国内店舗数はスクラップ&ビルドを繰り返し、現在はピーク時の約850店舗から約8%減らして約800店舗だ。これは取りも直さず、ユニクロ的には有望な場所にはほぼ出店し尽くしたという判断に基づいていると考えられる。