気休めに数十万円は高すぎる
5年先の社会すら読めない時代に、10年先まで通用する資格を当てられるはずがない。AIから逃げるために取った資格が、AIに先回りされているわけだ。
それでも人が資格の学校に並ぶのは「将来に備えて何かをやっている」という感覚が買えるからだろう。何十万円も支払って手にしているのは、稼ぐ力ではなく気休めという名の安心だ。それに何十万円は高すぎる。
わたしのメルマガにはこんな質問がよく届く。
「○○という資格があります。これを活かしてどんなビジネスが考えられるでしょうか」
発想が根本から逆なのだ。やりたいことが先にあって、その途中で必要なら資格を取る。手持ちの資格から逆算したビジネスにろくなものはない。やりたいからはじめた人の熱量に、義務感ではじめた商売は絶対勝てないからだ。
まずは業界に飛び込め、資格は働きながら取れ
資格の学校に使うお金があるなら、やりたいことに直接突っ込め。世の中の大半の仕事は調理師免許と同じで資格がなくてもはじめられる。いきなりの起業や独立が難しくても現場に入ってみればいい。友人の店を手伝う。気になる店にバイトで入る。いまはタイミーで1日から厨房に立てる時代だ。皿洗いだったとしても、学べることは山ほどある。
不動産に興味があるなら、資格の学校より先に仲介会社の門を叩けばいい。この業界には宅建、正式には宅地建物取引士という国家資格があり、契約の重要事項を説明できるのは宅建士だけと法律で決まっている。入社の時点で持っている必要はない。無資格のまま働きはじめて、実務を覚えながら宅建を取る。むしろ、これが業界ではよくある資格取得ルートだ。資格手当を出して応援してくれる会社まである。
動き出して夢中になれば、必要な知識も技術も勝手に身についていく。本当に資格が必要な場面が来たら、そのとき働きながら最短ルートで取ればいいのだ。入場チケットは走りながらつかめ。

