20代最後の日に結婚式
それが、中堅商社に勤めるユキさん。
私が先の著書『女の決めどき』で取材した当時、彼女は30歳でした。
聞くと、「絶対に30歳までに結婚する!」と周りにも豪語し、実際に誕生日を迎える前日、20代最後の日に結婚式を挙げることに成功した。
自分では深く意識してはいませんでしたが、彼女がとった戦略こそ、まさに「ターゲット・マーケティング」です。
具体的には、次のような流れ。
◆まず[3](ターゲットの絞り込み)を実行
=「誠実なスポーツマン」「実家(埼玉)の近くに住む男性」をと考え、この2つの接点に当たる「地元の草野球チームにいる男性」に照準
◆次に[4](自分の優位性)を考察
=野球のスコアが付けられること、土曜がフリーでチームのマネージャーをやれること(経験あり)、洗濯や弁当作りが得意、など
◆ そして[5](そんな自分をどう売り込むか)を決定
=草野球好きが集まるミクシィ、専用サイトなどで「埼玉」「募集」「マネージャー」などと検索。マネージャー募集中のチームに即応募
するとわずか10日後、地元の草野球チームにマネージャーとして採用が決定。
そして毎週土曜日、実家から30分の距離にある野球グラウンドに通うようになりました。
自分のクルマも免許も持っていたユキさんですが、あえてバスで通っていたのは、「そのほうが、お目当ての男性にクルマで送ってもらえると思った」から。
狙いは面白いほど的中、チームに入って1カ月足らずで、地味ながら実直そうな男性に「よかったらクルマで送りましょうか?」と声をかけられた。
そして出逢いから2カ月後。男性から「付き合ってください」と言われたユキさんは、思い切って言ったそうです。
「ありがとう。できれば私、20代で結婚したいんです。あと3カ月しかないけど、それでもいいですか?」と。
ユキさんの「あと3カ月しかない」宣言は、かなり勇気がいるひと言。
ヘタをすれば、「いきなり結婚って、ちょっと引くよ」と、男性を身構えさせる可能性もあります。