自分軸の極め方は「冒険」
【原】「その“私基準”をアップデートするためには、冒険も大切にしたいですね。私の場合は、年齢を重ねて足元のおしゃれが少し変わりました。パンツスタイルが多いので、それに合わせてミドルヒールの靴を履いていたのですが、60代からスニーカーを履くように。あまりにみんなが履いているのでその流れには乗るまいと抗っていたのですが(笑)、ふとしたきっかけで履いてみたら、あまりに快適で『ああ、もう手放せない』となりました」
【川邉】「私たちのような世代こそ、若い人たちとは違うリッチなスニーカーをそろえておくといいですよね。靴って実はキーアイテムで、健康を守ると同時に、自分のステイタスが表れるものです。ハイブランドのブティックのスタッフはどんな靴を履いているのかで客を見定めていると聞きます。海外は特にその傾向が強いから、旅には必ずクラス感のある靴を携えていきます」
ホワイトブロンドヘアでおしゃれの幅が広がった
【原】「川邉さんのご本『87歳。“私基準”で生きる』で私が注目したのが、川邉さんが着ているピンクのロングコート。派手な色をコートで着るというのがすごく粋ですね!」
【川邉】「私がこういう派手な色合いの服を着るようになったのは、実は70代に入ってから。髪色をホワイトブロンドにしたのが大きなきっかけでした。『髪の毛をショートにしたら、似合う服が変わった』という話、聞いたことありませんか? 同じく髪色を変えたら着る服の幅が一気に広がって、華やかな色も似合うようになりました。
コレクョンで来日する海外モデルたちは、会うたびに髪色を変えていて、どんなタイプの服も着こなしていたけれど、そのことを思い出しました。一方、ブラックを着るときには注意が必要。地味な印象に陥りがちだから、デザイン性のあるものを選んだり、落ち着いたネイビーに差し替えたり、派手なメガネをアクセントにしたりして、工夫を凝らすようにしています」
【原】「それは年齢を重ねたからこそ楽しめるおしゃれですよね。とても興味深いです」
【川邉】「原さんは着物の知識を深めているでしょう。着物って日本人の原点でもあるし、日本人の骨格だからこそ似合うものだと思います。ただ、着物を着て出かける場所が少ないのが悩みなのですが……」
【原】「多くの方がそうおっしゃるのですが、答えはただひとつ。出かける場所がないのではなくて、着物を着て出かければいい。それだけなんですよ。もちろん洋服と違って着付けに時間がかかるとか、着崩れないように気を遣うなどの特性はあると思いますが、あまり気負うことなく、もっと多くの人に楽しんでもらいたいですね」



