悪い人が集まる環境が生まれる要因

そもそもテイカーも有害な人になりたくてなったわけではない。彼らがいた環境が悪かっただけなのだ。

では、なぜ、人はテイカーになってしまうのだろうか。それは、「心理的安全性」の欠如が原因だった可能性が高い。

心理的安全性とは、「このチームでは、リスクを取っても大丈夫だ」「失敗しても責められない」「本音を言える」という感覚のこと。

この概念の重要性を証明したのが、グーグルの「プロジェクト・アリストテレス」だ。

グーグルは、2012年から4年間、社内の180のチームを調査し、「最高のチームをつくる要素」を特定しようとした。

当初、グーグルのエンジニアたちは、「優秀な人材を集めれば最高のチームができる」と確信していた。

MBAホルダー、博士号保持者、トップ大学出身者……。こうした、「スター選手」を集めればいいと考えていたのだ。

しかし、データは全く違うことを示していた。

心理的安全性が最高のチームを生むワケ

チームの成果に最も影響を与えるのは、「誰がチームにいるか」ではなく、「チームがどのように協力しているか」だったのだ。

長倉顕太『いい人はうまくいく』(すばる舎)
長倉顕太『いい人はうまくいく』(すばる舎)

つまり、個人の能力やスキルよりも、チームの「働き方」のほうが圧倒的に重要なのだ。

そして、最高のチームに共通する最も重要な要素。それが「心理的安全性」だった。心理的安全性さえあれば、チームは高いパフォーマンスを発揮したのだ。

この研究結果は、2016年にニューヨーク・タイムズの記事で報道され、世界中で「心理的安全性」という概念が注目されるようになった。

では、具体的に、心理的安全性が高いチームと低いチームでは、何が違うのか。

心理的安全性が高いチームでは、全員が発言し、失敗をオープンに共有する。一方、低いチームでは、失敗を隠し、質問を恐れる。

最高のチームは、失敗が許される、本音で話せる

長倉 顕太(ながくら・けんた)
作家、プロデューサー、編集者

1973年、東京生まれ。学習院大学卒業後、職を転々としたあと28歳のときに出版社に転職し、編集者としてベストセラーを連発。編集者として企画・編集した本は10年間で1000万部を超える。独立後は8年間にわたりホノルル、サンフランシスコに拠点を移して活動し、現在は本や著者のプロデュース、教育事業に関わっている。著書には、20万部のベストセラー『移動する人はうまくいく』『本を読む人はうまくいく』(共にすばる舎)、『親は100%間違っている』(光文社)、『豊かな人だけが知っていること』(あさ出版)、『誰にも何にも期待しない』(ソシム)、『人生は28歳までに決まる!』(イースト・プレス)など多数。最新情報は各種SNS(X、Instagram、note、YouTubeなど)で配信中。©写真:Portrait by THE PORTRAITS