行ったり来たり
結論から言うと、私は、「バリキャリ」と「ゆるキャリ」を行ったり来たりする人生が、理想だと思います。
たとえば、仕事を覚える20代のうちは「バリキャリ」人生を歩み、目標を達成する喜びを得る。そして、結婚し、子どもを産み、子育てに注力したい時期は、少し仕事をペースダウンし、「ゆるキャリ」となる。
そして、子どもの手が離れてきたら、また仕事の配分を増やし「バリキャリ」に戻る、といった具合です(バリキャリになって思春期の子どもが荒れたりしたら、またゆるキャリに戻すなど)。
しかし、こうした「バリキャリ」と「ゆるキャリ」を行ったり来たりする人生を、多くの会社は許してはくれません。
たとえば、1度、短時間勤務制度(時短)を取得した女性社員は、ずっと「時短の人」と見なされ、「戦力外」のレッテルを張られ、どうでもいい手加減した仕事しか与えられない。そして、女性は、「私は会社のお荷物だ」といじけ、会社を恨み、こうなったら意地でも辞めてなるものかと意固地になる……。そんなケースが随所で見受けられます。
でも、先進的な会社は、女性のライフイベント(結婚・出産・介護など)に柔軟に対応した、「バリキャリとゆるキャリの行ったり来たりキャリア」を認めつつあります。
たとえばりそな銀行は、子育て中の社員がいったんパート社員となり(しかも同一労働同一賃金だから社員と非正社員とで時給は変わらず)、その後、また仕事量を増やしたければ、社員に戻れるという制度があります。
このように、社員のプライベートにコミットした柔軟な働き方が認められれば、多くの女性はもっと充実したキャリアが歩めるに違いないと思います。