無茶できるかどうかが付加価値
一方、「バリキャリ道」を進むのも楽ではありません。
先日私は、ある商社マンから、こんな話を聞きました。
商社マンの仕事は、クライアントや取引先との交渉がメインであり、その交渉をいかにうまくやれるかが生命線ですが、それには24時間、オンもオフもないと。相手の要求に従い、いつどこにいようが、何時だろうが、お構いなしにすぐレスポンスし、必要な書類は出せるようにしておかなければ、仕事そのものが成り立たない。
ところが、最近の若いのは、「ワーク・ライフ・バランス」とか言って、「時間外」の仕事をやりたがらない。それでは、自身の仕事がお客様からじきに「いらない」と言われても仕方がないと。
ある外資系コンサルタントの方からも、こんな話を聞きました。最近のクライアントはコンサルを使い慣れていて、人遣いが粗いなんてもんじゃない。
夜中の2時に打ち合わせに呼び出され、そこで協議した内容を翌朝までに書類にまとめて送っておけなんて言われるのはザラだと。
要はお2人とも、仕事の付加価値はこうした「無茶がきくかどうかで成り立つ」というのです。
そして、そんな無茶を乗り越えて、何らかの仕事をカタチにした時の喜びは、何事にも代えがたいと。
しかし、こんな過酷な仕事を、子育てや家事をしながら、両立しながらできるはずもなく、多くの自称「バリキャリ」女性は脱落していくのだとか。
そんな話を聞いて、私は「うーん」とうなってしまいました。
「バリキャリ」と「ゆるキャリ」のどちらが幸せなのか――。