「皇室典範改正」議論で欠けていること
皇族数の確保のための与野党会議が4月15日に再開された。森衆議院議長は今国会での皇室典範改正に意欲を示したが、会議に参加した中道改革連合は党の方針が定まっていない。
それも、女性宮家を創設した場合、その配偶者や子どもを皇族にはしないという自民党の考えに賛同していないからだ。また、自民党が優先しようとする旧宮家の男子の養子案についても、中道の党内で意見が分かれている。今国会中に協議がまとまるのかどうか、予断を許さない状況にある。
しかし、国会での議論は男系男子での継承といった「血」の問題に集中し、より重要なことがなおざりにされている。
これは、昨年大ヒットした映画『国宝』のテーマになったことでもあるが、伝統を継承するとき、血とともに「芸」が決定的に重要な意味を持つ。皇室の場合は芸というわけではないが、血と対比されるものとして「教養」が挙げられる。教養が欠けていれば、皇族としてふさわしいふるまいをすることができない。
その面が、現在の国会の議論では抜け落ちている。
皇室外交で極めて重要な「語学力」
皇族の教養に関しては、さまざまな要素が考えられる。ここでは特に、その「語学力」に焦点を当てたい。
今の皇族には語学が堪能な人たちが少なくない。それは、皇室外交で海外の人々と直接に交流する上で決定的に重要な意味を持ってくる。
最近、皇族がいかに秀でた語学力を持っているかを示す出来事が続いた。
まずは高円宮家の久子妃である。久子妃は、3月17日に日本外国特派員協会で会見を行った。これは、鳥類の生態保護を目的としたバードライフ・インターナショナルの名誉総裁としての会見で、加速している気候変動に対して警鐘を鳴らす内容になっていた。
日本外国特派員協会で皇族が会見するのは、三笠宮崇仁親王以来42年ぶりのことだったが、会見は原稿も見ずに流暢な英語で行われた。
久子妃は、父親の仕事の関係で幼少期をアメリカやイギリスで過ごし、ケンブリッジ大学ガートン・カレッジで学んでいる。ネイティブなみの英語力を持っていることはよく知られている。
それが遺憾なく発揮された出来事があった。