2014年6月23日(月)

キュウリ「3本150円」vs「10本300円」の損得

一流vs三流診断!お金の思考習慣

PRESIDENT 2014年7月14日号

著者
勝見 明 かつみ・あきら

1952年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退後、フリージャーナリストとして、経済・経営分野を中心に執筆を続ける。著書に『鈴木敏文の統計心理学』『選ばれる営業、捨てられる営業』ほか多数。最新刊に『全員経営』(野中郁次郎氏との共著)。

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ジャーナリスト 勝見 明=文 相澤 正=撮影
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わが家の家計に稲盛和夫なら何とアドバイスするだろうか――。経営者の勉強会「盛和塾」で直々に哲学を学んでいる2人のファイナンシャル・プランナーに徹底取材した。

Q. スーパーへ夕食の材料を買いにいった。キュウリが必要。「3本150円」と「10本300円」があった。どちらを買うか。

【ヒント】キュウリ1本あたりの値段は前者が50円、後者が30円。毎月の出費を少しでも節約するには、後者を選んだほうが賢いように見える。しかし、「ここにはまとめ買いや買いだめの落とし穴がある」と佐々木氏はいう。

「キュウリを10本買っても、当面使わない分は冷蔵庫の隅に入れたまま忘れてしまい、しなびて使えなくなったり、腐らせたりする。結果、高くつきます」
稲盛流の「当座買い」の買い方では、正解は前者。その極意を説明してもらおう。

A. 「売り上げを極大に、経費を極小に」「入るを量って、出ずるを制する」。稲盛経営学の鉄則だが、「出ずるを制する」方法は、個人が生活費をコントロールするうえでも応用できる。ファイナンシャル・プランナーの佐々木昭人氏があげるのが「当座買い」の買い方だ。

「当座買いとは“必要なときに必要なだけ購入する”ことです。設問のキュウリの買い物の例でも、いつどれだけ食べるかを考え、必要なだけ買う。まとめ買いしても、いつ食べるか不確定なものは、結局、不良在庫になり、損失になるのです」

この当座買いについて、税理士でファイナンシャル・プランナーの伊藤正孝氏は稲盛氏から、「一升買いのルール」として教えられたそうだ。

「お酒を買うなら、一斗樽ではなく、一升瓶で買えと。例えば、缶ビールは腐るわけではないので、まとめ買いすれば、単価は安くなり、その分、得するように思えます。しかし、当面必要な分だけ買っていれば、1日1本飲むところを、大量にストックがあると気が大きくなり、割安で買ったうれしさも手伝い、1本より余計飲んでしまう。仮に少量買いなら単価150円、まとめ買いなら単価120円として、1本なら150円の出費になるのに、2本飲むと240円になり、総額では出費が90円増えることになる。私も以前はまとめ買いをしていましたが、あればあるだけ消費してしまうので、今は一升買いのルールに徹しています」

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