2016年3月11日(金)

株の儲け方「凡人」と「一流」の違いはどこにあるか

一流vs三流診断!お金の思考習慣

PRESIDENT 2014年7月14日号

著者
勝見 明 かつみ・あきら

1952年生まれ。東京大学教養学部教養学科中退後、フリージャーナリストとして、経済・経営分野を中心に執筆を続ける。著書に『鈴木敏文の統計心理学』『選ばれる営業、捨てられる営業』ほか多数。最新刊に『全員経営』(野中郁次郎氏との共著)。

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ジャーナリスト 勝見 明=文 相澤 正=撮影
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わが家の家計に稲盛和夫なら何とアドバイスするだろうか――。経営者の勉強会「盛和塾」で直々に哲学を学んでいる2人のファイナンシャル・プランナーに徹底取材した。

Q. 「株価が急上昇中の注目企業」と「経営方針や事業内容に共感する企業」、どちらの株に投資するか。

【ヒント】短期的に株で儲けようと思ったら前者が魅力的だが、以前、大手証券会社で仕事をしていた税理士の伊藤正孝氏によれば、「株は“勝つ人”と“負ける人”がいるゼロサムゲームの世界。アマチュアの個人とプロの機関投資家とでは、知識の量と情報の速さで大差があり、個人はなかなか勝てない。短期勝負では、総じて損をする結果になるでしょう」。保険コンサルタントの佐々木昭人氏の顧客も、「(短期売買では)損した人のほうが多い」。稲盛流の株式投資は、後者を選ぶのが正解だ。その極意を解説してもらおう。

FP 佐々木昭人氏・伊藤正孝氏の回答

A. 「お金でお金を稼いではならない」。盛和塾での稲盛和夫塾長の言葉に、伊藤正孝氏は新鮮な驚きを覚えたという。

「証券会社で仕事をしていたのはバブル期で、お金でお金を稼げといわれました。会社の従業員が働いて利益を稼げば、銀行がお金を貸してくれる。それを株や不動産などに投資して稼ぐ。そうして稼いだお金はありがたみが薄いので、使うときも湯水のように使う。お金でお金を稼ぐようになると、従業員たちも仕事へのやる気がなくなる。そんな例を多く見ました。個人も同じです。短期売買で儲かると、湯水のように使い、働く意欲も失せていく。最後は知識の量と情報の速さに勝るプロの機関投資家とのゼロサムゲームに負け、損することになるのです」

これが凡人の株式投資。一方、稲盛哲学では、単に知識や情報を持つだけでなく、「こうありたい」という一本筋のとおった信念がともなうと、知識は「見識」に変わるとされる。見識を持つ一流人の株式投資はどんなものか。伊藤氏が話す。

「それは、企業を応援する意味での投資です。目指す大義、社会貢献への考え方、飽くなきチャレンジ精神……など、共感できる企業を応援するために中長期的に株を持つ。そうした企業は持続的な成長も期待できるはずです」

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