薬局に並んでいるたくさんの薬。自分が飲むべき薬はどれか、ちゃんと考えたことがあるだろうか。「ブランドを聞いたことがあるから」、あるいは「安いから」という理由だけで選んだりはしていないだろうか。
「眠くならない薬は効きが悪い」は大きな誤解
鼻炎の代表的症状は「鼻づまり」か「鼻水・くしゃみ」。前者ならスプレータイプの点鼻薬、後者なら経口薬がいい。どちらもかぜなどによる急性鼻炎や花粉症による鼻炎が前提だ。慢性的なものは耳鼻咽喉科に行くことをおすすめする。
点鼻薬で注意したいのは、血管収縮効果により気持ちよく鼻が通る半面、使いすぎると鼻の中の粘膜が腫れてしまう副作用があることだ。用法用量をしっかり守る必要がある。最初の選択肢としておすすめしたいのは非ステロイド剤。それが効かないときはステロイド点鼻薬に移行する。ただし、ステロイド入りはさらに厳密に使用期間を守ろう。1カ月が限度だ。
経口薬は、眠気にどう対応するかが鍵となる。つまり、眠気や判断力の低下が起こっても構わないというなら、従来から使われている第1世代抗ヒスタミン剤を服用し、体を休めながら治していく。いや、仕事が残っているから眠気など出ては困るというのなら、迷わずに第2世代抗ヒスタミン剤を選択しよう。眠くなりにくいからといって、効果が弱いわけではない。第1類に分類されているため購入に少し手間がかかるが、副作用の危険はそれほど高くない。今後は、最初から第2世代を選択する人が多くなりそうだ。
鼻づまりと鼻水・くしゃみの両方の症状を抑えたい場合は、点鼻薬と経口薬の併用も可能だ。なお、 卵アレルギーのある人は塩化リゾチームを含まない製品を選ぶことも覚えておこう。
(セルフメディケーション推進協議会=フローチャート作成指導・監修 坂本道浩=撮影)