同じ下痢でも原因によって治療法は異なる

4月20日、Day6も同様で、39.5度でした。

4月21日、Day7には40度を突破して40.2度に。夕方、先生が来てこうおっしゃいます。

「のりこちゃんは元気が良すぎるみたいですね。熱は臍帯血が増えようとしているときに出る熱だと思います。だからあまり抑えすぎてもよくないのですが、適宜、解熱剤を使っていきましょう」

のりこちゃんの元気がいいというのは、まさに谷口先生が言った通りでした。

また、下痢がぶり返していたのですが、この下痢は、生着前免疫反応(PIR)だという診断でした。移植した臍帯血が私の体に受け入れられる前の、一時的な免疫反応です。Day1~4のころに苦しんでいた下痢は抗がん剤の副作用でしたので、原因が違います。

このように高熱や下痢など、次々に起こる症状も、原因を的確に判断しないと、対応(点滴、内服薬等)を間違ってしまいます。血液内科医の経験が求められるところなのだろうと思いました。

髪の毛だけでなく、ひげも鼻毛も抜けていく

皮膚にもいろいろな症状が出てきます。まず顔の皮膚が赤くなりました。これはGVHD(移植片対宿主病:移植の合併症)が重症化する前触れで、のちのち全身に赤みが広がったり皮がむけたりすると先生から説明を受けました。

夜になって、抗がん剤の副作用の脱毛が始まりました。気づいたのは髪の毛ではありません。マスクを外すと抜けたひげがついていました。鼻をかむとティッシュに鼻毛がついていました。その後、短いながら髪の毛も抜けていきます。

写真提供=高山知朗
抗がん剤で眉毛まで抜けたという

4月22日。朝から熱が40.5度。過去最高値です。

看護師さんによると、今が一番、熱が出る時期だといいます。移植治療では「デイ・ナイン・フィーバー」といって、移植後9日目に高熱を出すケースが多いと言われています。でも看護師さんの感覚としては、もっと早い人のほうが多い印象だそうで、この日がDay8の私もそれにあたります。

夜には朝の過去最高値をさらに更新する40.6度に上がりました。