現金・預金は全体の25%程度でいい

一方で、一般的な日本人の資産構成を見てみると、図表2のとおり、現預金の比率が54%と非常に高くなっています。これは、インフレリスクをあまり考慮していない資産配分といえます。言いかえれば、資産の実質的な価値が目減りしやすい、脆弱なポートフォリオ構成となっているといえます。

GPIFは年金運用機関ですから資金の出入りが予測可能ですが、個人の資産運用においては、予期せぬ突然の支出への備えは必要でしょう。そのため、現金や銀行預金をゼロにするのはリスキーです。個人の場合、GPIFの国内債券部分に相当する25%程度を現金や銀行預金として保有するのが1つの目安となるでしょう。