トランプのアカウントを復活
マスクは買収後に、これまでの「コンテンツモデレーション(節度ある投稿管理)」のファイルをジャーナリストに開示した。これによって、ツイッターがバイデン政権に忖度し、トランプを支持する投稿を抑制していた事実が明らかになり、保守派の疑惑に一定の根拠があることが示された(ただしこれは、ツイッターの社員の大半が民主党支持者だったからで、ディープステイト=闇の政府による陰謀ではない)。
マスクは自らを「リバタリアン」だと述べている。リベラリズムと同じく「自由(Liberty)」から派生した言葉で、「自由原理主義者」をいう。リベラリズムはもともと「自由主義」のことだが、「リベラル」を自称する政党やメディア、知識人はいつしか平等を過度に重視し、それによって自由が抑圧されていると不満を抱く者たちが「リバタリアン」を名乗るようになった。日本ではティーパーティーのようなキリスト教保守派の運動だと思われているが、じつは現在、リバタリアニズムの最大の拠点はシリコンバレーだ。彼らは「テクノ・リバタリアン」と呼ばれている。
ここから先は無料会員限定です。
無料会員登録で今すぐ全文が読めます。
プレジデントオンライン無料会員の4つの特典
- 30秒で世の中の話題と動きがチェックできる限定メルマガ配信
- 約5万本の無料会員記事が閲覧可能
- 記事を印刷して資料やアーカイブとして利用可能
- 記事をブックマーク可能
(橘 玲/文藝春秋 2023年11月号)

