※本稿は、樺沢紫苑・田代政貴『感謝脳』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。
運は機嫌に比例する
感謝の効果を最大化するとっておきの秘訣をお教えしましょう。それは、機嫌良く過ごすこと。
自分の機嫌が悪いと感謝は生まれません。いつも「機嫌良くいる」と決めて、心を穏やかな状態にしていくことが、日常でも感謝を生み出す源泉になります。
「運は機嫌に⽐例する」と言ったら、どう感じますか?
わかりやすい例として、旅⾏中を想像してみてください。
皆さんは旅⾏中に運が良いと感じることが多くないですか?
それには理由があります。旅⾏中は⼤抵、機嫌が良いからです。新しい場所を探検したり、美味しい料理を⾷べたり、新しい⼈々と出会ったりと、旅⾏は⼤抵の⼈をハッピーにします。そして、その幸せな気持ちが運を呼び寄せるのです。
しかも、「ありがとう」を⾔う機会も普段より多くなります。⾶⾏機のCAさんへ、レストランのウェイターさんや料理⼈さんへ、お⼟産を買ったお店の店員さんへ、旅先で出会った親切な⼈々へ、ホテルのスタッフへと、旅⾏中はたくさんの「ありがとう」を声に出しているのです。
旅行中はスケジュール通りにまわれなかったり、トラブルが起きたりなど、普段であればストレスを感じることも起きています。それでも運が良いと感じながら楽しい体験ができるのは、機嫌が良いから。
機嫌よく感謝することで「運」を引き寄せられるのです。
いつも「運が良い人」がやっていること
「いつも運が良い!」という⼈を観察したことがあります。
いつでも、どこでも、「ありがとう」と⾔っているのですが、あるとき、お洒落なレストランで、お⽫の上の料理の中に髪の⽑が⼊っていました。
店員さんを呼ぶのかな?と⾒ていたら、そっと取り除いて、何事もなかったかのように振る舞っていたのです。気になって「店員さん呼びましょうか?」と聞いたところ、「いえ、呼ばなくて良いです。たまたま⼊っただけでしょ?」と、笑っていました。
たしかに、わざと⼊れたわけでもなく、料理も美味しかったですからね。さらには、帰り際には店員さんにも、厨房にいる料理⼈さんにも、「ごちそうさま、美味しかったです」と、挨拶されていました。
運が良い⼈は、相⼿の機嫌も良くしながら、⾃分も機嫌良く過ごしています。自分の機嫌は自分でとる。すると、感謝の恩恵も最大限に受けられるのです。