十分に場があたたまってから、勧誘が始まる
とは言え、そのような体験談がいつまでも続くわけではありません。
十分に場があたたまってきた頃を見計らってか、「私が自由に楽しく過ごしているのは、実は、これのおかげです」と、彼らはおもむろに勧誘案件を切り出してくるのでした。
その案件は、海外ファンド積立や海外不動産投資などの投資案件、とくに海外モノが多かったですが、中にはFX自動売買システムのような情報商材や、さらにはマルチ商法紛いのビジネス案件も少なくなかったと記憶しております。
もっとも、それらはいずれも、ハッキリ言って、あやしいものばかりでしたが。
そして、彼らは一通り、資料を使って案件の説明をするものの、力を入れてアピールしてくるのは、「私はこれで稼いでいる」ことでした。ここで、最初に散々話してきた「自由に楽しく人生を謳歌している(≒稼いでいる)」体験談が、サブリミナル効果の如く効いてくるという算段なのでしょう。
いよいよ、「稼いでいる」を、よりアピールしてくる
そして、この段階まで話が進めば、彼らは稼いでいることを、よりアピールしてきます。
ただ、「週2~3日労働でも、十分やっていけますよ」「ほぼ毎週末、ゴルフに行っています」などと、その悠々自適ぶりをアピールしながらも、具体的な金額は言わずに、「けっこう稼いでいる」をほのめかす人がほとんどでした。
しかし、こちらが「一般サラリーマンの年収の2倍くらいですか?」などと、その稼ぎに興味を示すと、中には、「まぁ、それ以上かな」などと、しっかり答えてくれる人もいました。
さらに、「じゃぁ、月70万~80万円くらいですか?」といった質問に、「いや、100万円くらいはあるかな」や「年収は1本(1000万円)を軽く超えたよ」など、数字で答えてくれる人も、少なからずいたのでした。
そう、私が求めていたのは、悠々自適ぶりをアピールして、稼いでいることを「匂わせる」のではなく、ハッキリと数字で「示してくれる」ことだったのです。日常の場では、(稼いでいたとしても)そこまでハッキリ言う人など、ほとんどいないですからね。
ですので、数字をもって、ハッキリと「稼いでいる」ことを聞き出せたことには、大いに満足したのでした。
ただ、重要なのは、本当にそれだけ稼いでいるのか、です。
それを確かめることは、非常に困難なことでしょう。
しかし、私はあらかじめ、そのようにハッキリと「稼いでいる」と言ってくれた人に対して、必殺の質問を用意していたのでした。