宣言することで、頭も切り替わる
しかし、「空間への意味づけ」を時間の側からしなければ、やりにくくてしようがないケースも多くあると思います。
たとえば、食事においては「食卓」でも、食後には「仕事の机」になるし、来客があれば「お茶のテーブル」にもなる。このような場合、同じ空間の意味が、「時間」によって区切られるわけです。
私も多様な仕事を同じ書斎で行います。
それだけにいちいち「時刻」で、いまからなにをするかを決めざるを得ません。
そうすることで、自分の中で作業と気持ちを切り替えているのです。
タスクシュートがその重要なサポート役を担ってくれているのです。
そういうわけで、「いまから原稿を書く」と誰にとはなく「宣言」します。
終わったら、終了時刻を「打刻」します。
すべての行動について、同じ宣告を繰り返します。まさに、おはようからおやすみまでやるわけです。もちろん、1日中ずっと、タスク名と開始、終了時刻をいちいち宣告するなど、手間といえば手間がかかります。
しかし、なんのトクにもならないのにそんな行為は続きません。
タスクシュートを使っている25000人を超えるユーザーが、かなりの期間ずっと続けているからには、仕事や生活の役には立っているはずなのです。
私自身はもう20年近く、記録が漏れている時間が1分もありません。
しかも私は、記録を残したかったわけではありません。記録が残れば便利ではあります。しかしやはり、仕事が進むからこれを続けているのはまちがいありません。
1973年北海道生まれ。1997年獨協大学外国語学部を卒業。2004年Avila University心理学部卒業。2022年タスク管理・時間管理術であるタスクシュートの普及と、自分らしい時間的豊かさの提唱を目的として「一般社団法人タスクシュート協会」を設立。タスクシュートのユーザー数は、25000人を超える。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか、『iPhone情報整理術』(技術評論社)、『イラスト図解 先送りせず「すぐやる人」になる100の方法』(KADOKAWA)、『クラウド時代のタスク管理の技術』(東洋経済新報社)、『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』(技術評論社)、『やめられなくなる、小さな習慣』(ソーテック社)、『人生100年時代 不安ゼロで生きる技術』(三笠書房)、『先送り0』(技術評論社)など。ポッドキャスト「働く人に贈る精神分析チャット(グッドモーニングボイス)」を平日にSpotifyから配信中。