心当たりがあるなら、まずは問い合わせてみよう

「企業年金」がもらえるかどうか調べる方法としては、勤めていた頃の給与明細が手元にあれば、そこから調べることができます。そこに「厚生年金基金掛金・保険料」という欄があって保険料を引かれていたら、加入していたという証拠になります。

また、会社によっては「就業規則」や「福利厚生」、または退職金規定などに厚生年金基金に加入していたかどうかを書いてあるところもあります。

さらに、毎年、誕生日になると届く「ねんきん定期便」でも、加入していたかどうかはわかります。「これまでの加入履歴」に厚生年金基金の加入期間が書いてあれば、請求すれば年金をもらえるということです。

【図表2】ねんきん定期便
出典=日本年金機構

こうした書類が手元になくても「若い頃に大きな会社に勤めていた」ということしか覚えていないという人は、企業年金連合会が作成したフローチャートを辿ってみてください。

このフローチャートがすべて「はい」となれば、あなたは企業年金をもらえる対象者であり、もしくは、もらえるはずの企業年金をもらっていない可能性があります。

だとしたら、勤めていた会社に問い合わせてみるか、企業年金連合会のホームページにアクセスして、自分の記録がないか調べてみましょう。

問い合わせの際には、氏名、生年月日、住所、年金手帳の基礎年金番号、厚生年金基金の名称及び加入員番号などが必要ですが、詳しくは企業年金コールセンターに尋ねてみてください。

年金は、じっと待っていてもらえるものではありません。自らとことん調べて、該当するならば自分で申請する必要があります。「会社が教えてくれる」「知らなかった」「忘れていた」ではもったいない。とことんもらうには行動あるのみです。

荻原 博子(おぎわら・ひろこ)
経済ジャーナリスト

大学卒業後、経済事務所勤務を経て独立。家計経済のパイオニアとして、経済の仕組みを生活に根ざして平易に解説して活躍中。著書多数。