年金が増えるほど、税金・社会保険料が高くなる
給与と同じく、年金からも税金・社会保険料が引かれます。税金・社会保険料は、年金額が多いほど増えるため、繰り下げ受給をしなかった場合よりも、税金・社会保険料の金額が増えてしまいます。
なお、年金の繰り下げを行っているとき、何らかの事情で急にまとまったお金が必要になるケースもあるでしょう。その場合、申請を行うとそれまで受け取らなかった年金を最大5年分さかのぼって、一括で受給することが可能です。
例えば、65歳から年金を繰り下げている(繰り下げ待機している)人が、70歳時点でお金が必要になったとします。この場合、65から70歳までの5年分の年金を一括で受け取り、その後は65歳時点と同じ額の年金を受給することになります。
また、65歳から年金を繰り下げ、72歳時点で過去5年分の年金を一括受給したとします。このとき、年金は67歳時点で繰り下げをしたとみなします(特例的な繰下げみなし増額制度)。これによって、67歳から72歳までの5年分の年金を一括で受給でき、以後は年金を67歳時点での受給率(16.8%増)で受給することができます。
ただし、過去の年金を一括受給することで、過去の社会保険料や税金が増える場合があります。事前に年金事務所などに確認しましょう。
年金からはどんな税金・社会保険料が天引きされる?
年金から天引きされる税金・社会保険料には、
・国民健康保険料(75歳未満)または後期高齢者医療保険料(75歳以上)
・介護保険料
・所得税
・住民税
があります。
年金の額面から、これらの税金・社会保険料が天引きされた金額が、2カ月に1度、2カ月分まとめて銀行口座に振り込まれます。
75歳未満は国民健康保険料が天引きされ、75歳以上になると後期高齢者医療保険料が天引きされます。
こうしてみると、年金からも結構いろいろなお金が引かれるものですね。