東京都に隣接しているのに1000万円以下

しかし、逆にいえば、これまでこんなに上がっているということは、今後も上がり続けるのか少し不安になるのではないだろうか。

そこで、まだまだ上昇率はさほどではないが、価格の安い、魅力的な地域はないのだろうかと探してみると、意外に近くにあった。それが東京都に隣接する山梨県だ。

図表2にあるように、70平方メートル換算の中古マンション価格の平均は846万円と、何と1000万円を切っている。「マンションレビュー」のデータでは、1000万円を切っている県はこの山梨県だけだった。

山梨県は東京都とJR中央本線でつながっていて、一番東京寄りの上野原市からは新宿駅までは1時間ほどだから、十分に通勤が可能だろう。少し西側の大月市でも1時間30分ほどで通える。

神奈川県の4分の1の値段で手に入る

また、県庁所在地の甲府市でも、JR特急の「あずさ」や「かいじ」を使えば、新宿駅に1時間30分ほどで到着する。首都圏の神奈川県、埼玉県、千葉県の郊外に住んでいる人なら、1時間以上の通勤時間をかけている人は少なくないので、山梨県は十分に通勤圏に含めて考えていいのではないだろうか。

在宅勤務が可能で、東京への出社が月に何回か程度でいいのであれば、居住先として考えていいだろう。

それでいて、70平方メートル換算の平均価格が846万円なのだから、たいへん魅力があるのではないだろうか。ちなみに、先の「マンションレビュー」のデータによると、首都圏の神奈川県の平均価格は3339万円で、埼玉県は2680万円、千葉県は2437万円となっている。山梨県なら、その3分の1から4分の1程度で手に入れることができる計算だ。

【図表】1500万円以下で買える県の70㎡換算価格と10年間の騰落率
出典=ワンノブアカインド「マンションレビュー」