不動産投資は余剰金がなくても始められる

Step3:信用を担保にお金を借りて、さらに資産をふやす

よく会社員の方から、不動産投資をするべきかどうか聞かれます。資産形成の観点から考えますと私はお勧めしております。なぜなら不動産投資は、余剰金がなくても始められるからです。

先ほどから説明しました確定拠出年金やNISAは、始めるには原資が必要です。しかし不動産投資は、自分の収入や勤務先といった「人的資本」による「信用」で、金融機関からお金を借り入れて、資産を増やすことができる。もちろん不動産オーナーになると、修繕費用や空室期間中の家賃返済もありますから、原資ゼロで行うのはよろしくないですが、自分の信用を使ってできるのは、大きな魅力といえます。

顧客に説明をする不動産会社の人
写真=iStock.com/ArLawKa AungTun
※写真はイメージです

自宅も資産になる

また不動産投資というと、投資用不動産投資を思い浮かべがちですが、自宅(マイホーム)購入も不動産投資の一つです。自宅を賃貸ではなく持ち家にすることで、資産を得ることができます。いつか、その自宅を売る時に、自宅に価値があればキャピタルゲインが得られます。また、売却益3000万円に対しては通常20~30%の税金がかかりますが、この税金が控除される「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」という制度もあります。そう考えますと、やはり自分の住む家も投資対象と考えるとよいでしょう。

不動産を持てば「不動産担保ローン」、有価証券があれば「証券担保ローン」、生命保険なら「契約者貸付」といった形で、さらに自分の信用を使ってお金を借り入れて、資産を増やすことができます。つまり資産を築くことは、信用を築くことと同じなのです。

以上のように、さまざまな方法を組み合わせていけば資産が積み上がり、現在の収入に上乗せしていくことができるでしょう。月30万円の収入増も不可能ではないかもしれません。そのためには、まずしっかり働くこと。自分の信用をつくることが、すべての資産形成の第一歩になるのではないでしょうか。

渡邉 錬(わたなべ・れん)
ZUU Wealth Management取締役

新卒で東京海上日動あんしん生命に入社。保険代理店の支援・新規開拓などを担当する中、株式会社ZUU Wealth Managementの前身である株式会社AWZの設立に従事。その後同社に参画し、執行役員を経て現在は取締役。