保険料控除はどれぐらいオトクなのか

小規模企業共済等掛金控除と生命保険料控除はどの程度の効果があるか、もう少しくわしく説明しましょう。

たとえば給与収入が800万円の人でしたら、所得税率=20%、住民税率=10%(一律)です。確定拠出年金として支払った掛金は、全額控除されます。仮に毎月3万円の掛金を支払ったとすると、年間36万円を所得から控除することができます。36万円に所得税20%を掛けると7万2000円、住民税10%を掛けると3万6000円。合計10万8000円の税金額を減らすことができます。

36万円支払い10万8000円の税金を減らすことができると、実質的な負担金額は25万2000円です。運用した結果、仮に増えも減りもせず投資金額の36万円がそのまま返ってくるとすると、36万円÷25万2000円=約143%。利回り換算でなんと年利約43%。年利43%の投資商品というと、中々ないのではないでしょうか。利回り約43%を得て、かつ元本そのものも増える可能性もある(減る可能性もある)。そう考えますと、確定拠出年金の検討の余地もあるのではないでしょうか。

生命保険料控除は利回り約15%

生命保険料控除も、同じ考え方です。生命保険料控除は、最大控除額が所得税20%は12万円、住民税10%は7万円です。減税できる金額は、所得税12万円×20%=2万4000円、住民税7万円×10%=7000円、合計3万1000円です。たった3万1000円ですが、これに対して支払う保険料は最低24万円です。つまり24万円支払って、3万1000円税金を減らすことができたということは、実質負担金額は20万9000円です。こちらも先ほど同様に利回り換算しますと約15%。利回り約15%を確実に得られる金融商品は中々ありませんので、やはり生命保険もしっかり考えていきたいものです。

「ふるさと納税」は、税金自体は減らせませんが、税金の支払い方を変えることで、オトクになる方法です。つまり控除で減らせた税金を、ふるさと納税で支払うことで、返戻品が受け取れる。それによって買い物せずにすみ、支出が減らせるのです。社会保険料控除や生命保険料控除で税金を減らす→ふるさと納税で支払う、と二段構えで考えてほしいですね。

資産から収入を発生させる

Step2:余剰資金を活用して資産をつくる

左側の「P/L(損益計算書)」で余剰金をつくったら、今度は右側の「B/S(賃借対照表)」で最大化し、「資産」を増やしていきます。これらの資産からも収入を発生させることができます。

そもそも資産には「金融資産」と「固定資産」の2種類あります。金融資産は、株式や投資信託、債券などの有価証券や保険など。有価証券を買えば、売却によって得られる「キャピタルゲイン」と、利息や配当金など資産を保有することで得られる「インカムゲイン」の両方手に入れることが期待できます。なかでも株式や投資信託はNISAを利用すれば本来、売却益や配当金にかかる税金が、非課税になるため手残りが増えます。

電卓と「非課税」と書かれたブロック
写真=iStock.com/Seiya Tabuchi
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