1億円貯めるための3ステップ

具体的に、どうテコ入れしていくか考えていきましょう。たとえば共働きで、世帯年収1000万円、貯金がなしで、これから1億円貯めたい人の場合。やるべきことは「減税で余剰資金をつくる」「余剰資金を活用して資産をつくる」「信用を担保にお金を借りて、さらに資産をふやす」の3ステップです(図表2)。

【図表2】個人に当てはめた損益計算書と賃借対照表
渡邉氏への取材を基に編集部作成
Step1:減税で余剰資金をつくる

まず左側の「P/L(損益計算書)」にフォーカスして税金を減らし、手取りを一円でもふやしましょう。つまり「減税」です。そもそも税金は、収入から「税額控除」が差し引かれた課税所得に税率が掛けられて決まります。ですから、税金を減らすには、いかに税額控除をふやすかがカギになります。

税額控除は「配偶者控除」「医療費控除」「社会保険料控除」など14種類ありますが、人によって使えるものと使えないものがあります。たとえば配偶者控除は独身の人には使えませんし、医療費が年間10万円を超えると適用される医療費控除も健康であれば難しいです。となると一般的に使える方が多い控除は、確定拠出年金やiDeCoなどの私的年金を支払うと受けられる小規模企業共済等掛金控除です。これらは減税しながら積立運用をすることができます。

また、生命保険の支払い保険料に適用される「生命保険料控除」も、ぜひ検討してほしいですね。国や会社の健康保険制度の手厚さを考えると、保障としての保険は不要と考えますが、貯蓄性のある生命保険は、生命保険料控除が使え、貯蓄も期待ができます。

「TAX」の文字をはさみで切る人
写真=iStock.com/baona
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