相手との関係性をよくする返答パターン
これらと違い、「相手の感情について話す」のが、好感を持たれ、相手との関係性をよくする返答のパターンです。
「メンテナンスの人、遅いなあ。何時に来るのかな」と述べた人に対しては、たとえば「約束の時間に来ないと、困りますよね」(感情)と返すのが、「相手の感情について話す」返答パターンです。メンテナンスの人が来なくて困っている相手の心情に触れる、好感度の高い一言になります。
(上記の返答パターンは「ライカビリティ 6つの返答パターン『好きになられる能力 ライカビリティ 成功するための真の要因』」[松崎久純(著)光文社より]をご参照ください)
入社あるいは配属から1カ月と少し経った5月中に、返事の仕方がおかしくなるのに続いて、会話で「反論」をする兆候が出てくれば、それは「もう一つの五月病」の症状です。4月中には隠していた本性が現れた状態と言えるでしょう。
すべてを批判の対象にする人たち
この手のネガティブな人たちは、会社生活のあらゆること――仕事の内容、仕事の進め方、人間関係、取引先、通勤事情など――何についてでも、常に否定的なことを言いはじめる可能性があります。
本当は非難するようなことでなくとも、彼らにかかると、すべてが批判の対象になってしまうのです。
そんなことをさせないように、早めに「もう一つの五月病」の症状を指摘して、何でも否定する癖は社会人として不適切で、好ましい振る舞いでないと自覚させることが必要です。
ネガティブな人は、とことんネガティブで否定的でも、本人は気づいていないこともあります。そんな人に、はっきりとそれを気づかせた例をお話ししましょう。
私にはネガティブといえば、すぐに思いつく人が何人もいますが、ここで紹介するのは私が授業を受け持っている大学院のクラスで、あまりに典型的だったヨーロッパのある国から来た留学生の例です。
彼は、私が学生にプレゼンテーションの仕方の説明をしている最中、注意点を話していると、手を挙げて「それはあまりに神経質すぎませんか」と言います。
私は学生たちに、「名前を呼ばれた瞬間から、オーディエンスは注目するので、教室の前へ歩いて行って演壇に立つまでの間も皆から見られている。そのため移動のときも、テキパキとムダのない動きをすること」と話しているだけです。
プレゼンテーションについては、ムダな動きはしないよう、意味なく手や体を動かすことのないよう指導しますが、そうすると彼は、「体を使ってアクションを取ることの何がわるいかわからない」と言います。
「わるいとは言っておらず、このクラスでは意味なく体を動かさず話す練習をしている」と話すと、「なぜそれが必要なのかわからない」といった調子で、ずっと絡んでくるのです。