ブランドが顧客に提供できる利益

Q:ブランドを構成する「便益」について教えてください!

<お答えしましょう!>

顧客にとって、そのブランドが提供する利益を明確に具体化したものです。

ブランドの資産価値を高め続けるためには、「顧客にとって便利で利益があること」を明確化・具体化する必要があります。これを「便益」といいます。ブランドには、大きく分けて4つの便益があります。

永井孝尚監修『モノではなく価値を売るために マーケティングについて永井孝尚先生に聞いてみた』(Gakken)
永井孝尚監修『モノではなく価値を売るために マーケティングについて永井孝尚先生に聞いてみた』(Gakken)

1つ目は「機能的な便益」。これは、製品そのものの便利さであり、模倣されやすく、これだけでは差別化が困難なものです。ブランドの資産価値を高め続けるためには、「顧客にとって便利で利益があること」を明確化・具体化する必要があります。これを「便益」といいます。

ブランドには、大きく分けて4つの便益があります。

1つ目は「機能的な便益」。

これは、製品そのものの便利さであり、模倣されやすく、これだけでは差別化が困難なものです。

2つ目は「情緒的な便益」。そのブランドの商品を買ったり持ったりすると「いい気分になる」など、感情的にポジティブな影響を受ける便益です。

3つ目は「自己表現的な便益」。たとえば、Apple製品を使っているとクリエイティブな人に見られるのは、まさにこの便益です。

Macのデバイス
写真=iStock.com/tashka2000
※写真はイメージです

顧客でいることに付加価値を創り出す

4つ目は「社会的な便益」。そのブランドの商品を使っていると、社会に対して役に立っている気分になれるとか、そのブランドを愛する人々の一員になっているといった感情を抱くことができる便益のことです。

社会的な便益の例として、一部のブランドでは顧客からの意見を商品開発に活かすことで、顧客でいることに付加価値を創り出すことに成功しています。

ブランド・アイデンティティを構築するためには、「お客様にとって、何が便利なのか?」というブランドの便益を絶えず問い続けることが重要なのです。

KEYWORD:資産価値
財産として評価した価額や市場での取引価格という意味で一般的に使われる言葉。