そのブランドを人々からどう見られたいか?
Q:ブランド・アイデンティティを強める4つの視点とは何ですか?
<お答えしましょう!>
製品、組織、人、シンボルの4つの視点からブランドをとらえることで、そのブランド・アイデンティティを強めていきます。
前項で紹介したデービッド・アーカーのブランドに対する考え方は、その後「ブランド・エクイティ」という概念から「ブランド・アイデンティティ」という概念に進化していきました。前者が鍾乳洞でたとえられるようにマーケティングの結果であるのに対して、後者はマーケティングの起点といえます。
ブランド・アイデンティティとは「そのブランドを人々からどう見られたいのか?」という能動的なものであり、「今どう見られているか」という受動的なブランドイメージとは異なるものです。
「ブランドらしさ」を強める4つの視点
強いブランド・アイデンティティは、次の4つの視点で作っていきます。
①製品としてのブランド
製品として提供するもの。たとえば褐色のコカ・コーラや、ハーゲンダッツの美味しいバニラアイスクリームなどです。しかし製品だけではいずれ、真似されてしまいます。
②組織としてのブランド
パタゴニアは「故郷である地球を救うためにビジネスを営む」というミッションからブレずに商品を開発、販売しています。このように組織や価値観も、強いブランド・アイデンティティを作ります。
③人としてのブランド
バイクメーカー・ハーレーダビッドソンの熱烈なファンは、その入れ墨を入れるほど、ハーレーを崇拝しています。このように、顧客はブランドをあたかも一つの人格を持つ人間のように感じます。
④シンボルとしてのブランド
コカ・コーラの赤色、ポケットモンスターの黄色のように、ブランドを象徴するカラーもシンボルになります。
これら4つの視点でブランドを考えて構築することで、ブランド・アイデンティティを高めることができます。
自己同一性。その人やモノの「らしさ」のこと。または、その自分らしさを社会から認められていること