婚活をネタにするのはNG

「私、やっぱり結婚したいんです」

自分の気持ちに向き合い、そう結論を出したF美さんに、私はあることを禁止した。

女性たちの会話
写真=iStock.com/Marisa9
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それは、「婚活仲間との反省会」である。

同じ境遇の女友達と、婚活で出会った男性のダメ出しをし合うのが楽しい気持ちはよくわかる。

しかし、婚活をネタにしてはいけない。これは、幸せな結婚をしたいなら絶対に守らなければいけない鉄則のひとつだ。うまくいかない婚活をネタにして楽しんでいるうちは、理想の結婚相手には出会えない。

その理由は、相手を「減点法」で見てしまうから。

ネタにしようと思うと、つい人は相手の欠点を探してしまう。酒のつまみとしては、「いい人なんだけどね……」というエピソードより、「こんなとんでもない人がいたんだよ!」というエピソードのほうが盛り上がる。しかし、相手のダメなところにばかり目を向けていては、いいところに気づけるはずがない。

F美さんには、「反省会」という名の「ダメ出し会」はすぐに中止して、男性のいいところを探すようアドバイスした。

婚活で出会う男性だけではない。まずは家族や同僚など、身近にいる男性を観察して、どんなささいなことでもいいから、いいところを見つける。たとえいいところがひとつも見つからなかったとしても、ダメなところを探すよりはずっといい。

この「いいところ探しゲーム」を続けるうちに、出会う相手の欠点よりもいいところに目が向くようになる。そうすれば、「いいな」と思える人に出会いやすくなるのだ。

こうして「反省会」を卒業したF美さんは、「どんな相手と、どんな結婚生活を送りたいのか」を改めて見つめ直した。

まもなく、F美さんは婚活アプリで出会った理想どおりの男性とおつきあいを始め、半年後に入籍した。

「彼は、初めてのデートでおごってくれた?」とためしに質問してみると、F美さんは、「そういえば、どちらが支払ったか覚えていません」と答えた。

「彼がおごってくれたこともあるし、私がおごったこともあります。割り勘にしたことも……ケースバイケースですね」

「おごってくれる」「おごってくれない」ということにとらわれて、自分が本当に望んでいることや、相手の本質から目を背けていないだろうか。

「おごるおごらない問題」に正解はない。

自分にとって、どういう結婚が幸せなのか。その答えは、自分自身の中にしかないということを忘れないでほしい。

伊藤 友美(いとう・ともみ)
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー

1970年生まれ、東京在住。約9年間の婚活中には、条件を下げたり、妥協を重ねることで「婚活ウツ」を発症。そこから研究を重ね、数々のワークを生み出し、実践。39歳から再開した婚活では、出会いから2カ月でプロポーズに至るスピード婚を果たす。自身の経験を通じて構築した〈最短最速で理想通りの男性と結婚する方法〉を伝える「3ヶ月で全員婚活卒業!婚活塾」は全国から参加の受講生で毎回即満席となる。受講生の成婚年齢は40代が一番多く、平均44歳。50代の成婚者も少なくない。結婚相談所Lulu Spacesの代表も務める。近著は『結局、理想を下げないひとが選ばれる』(フォレスト出版)。