先日、友人に誘われて参加した食事会では、ついに会費として1万円を請求された。すてきなお店でいただいた食事はたしかにおいしかったが、F美さんにとっては痛い出費だ。

「相手の男性たちは、稼いではいるけれどなんだか横柄だったし、1万円も払って行く価値はなかったです」とF美さんは憤慨する。

F美さんには同年代の「婚活仲間」が数人いるが、「30代になってからおごってもらえなくなったよね」と全員が口を揃えるという。「私なんか、1円まで割り勘にされたんだから」とひとりがいえば、「この金額でいいですよ、といかにも僕が多く払いますって顔をされたのに、4500円と5000円! たった500円で恩着せがましくされるなんて」と別のひとりがかぶせる。

その仲間とは一緒に合コンに参加することも多く、最近の楽しみは「合コンのあとのダメ出し会」なのだそうだ。「おごられないネタ」だけでなく、「こんなとんでもない人に会ってしまったネタ」でも盛り上がり、婚活ストレスを解消できている。

望んでいるのは結婚? 恋愛?

おごってくれない男性は、ほんとうにF美さんに価値を感じていないのだろうか。

答えは、YESでもあり、NOでもある。正確にいうと、「現時点では判断できない」。

もちろん、中には「この人とまた会いたい!」と思うからこそ、最初のデートからおごってくれる男性もいるだろう。

しかし、婚活中の男性の中には、「おつきあいをすると決めるまでは、誰にもおごらないことにしている」と決めている人もいる。

ある知人女性は、合コンで割り勘を提案されて、幹事の男性に好感を持ったという。

「合コンで出会った相手におごってくれる人って、ほかでも同じようにしている可能性が高いですよね。そういう人って、結婚しても家計を考えずに会社の後輩におごってあげたりするじゃないですか。結婚相手としては、合コンで割り勘にするくらいの人のほうが、堅実な経済観念があって安心です」と彼女は話してくれた。そういう見方もあるのだ。

つまり、見極めるべきなのは、「相手がおごってくれるかどうか」ではなくて、「自分がどういう相手と、どういう結婚生活を送りたいのか」ということだ。

F美さんにも、ほんとうに結婚したいと思っているのか、自分の気持ちを確認してもらった。

もしかすると、F美さんが望んでいるのは結婚ではなくて、恋愛をして男性におごってもらったり、ちやほやされたりすることなのかもしれない。