他人をネガティブに捉えると引きこもるように

他人をネガティブに捉えるようになると、長期的には引きこもってしまう恐れもあります。「みんなで集まる時にも私には来てほしくないんだろうな。だったら行かないでおこう」そんな風に考えてしまうので、簡単に負のサイクルに陥ります。

その結果誰からも誘われなくなり、それを脳は「やっぱりそうだった」と解釈するのです。「ほらやっぱり、私には来てほしくなかったんだ──」そうしてますます引きこもるようになっていきます。

大切な友人が連絡を取りたくなさそうだったり、誘っても興味がなさそうだったりした場合でも、その人が本当に人付き合いを避けたいのではなく、孤独のせいかもしれないということを知っておくといいかもしれません。それでも根気よく連絡を取り続け、集まる時には誘いましょう。楽しいことをする時に誘わないと、「あなたはもうグループに属していない」というシグナルになってしまいます。

孤独な女の子
写真=iStock.com/xijian
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孤独度を減らす方法

コロナ禍の間、多くの人が孤独な生活を強いられました。「孤独から抜け出すためには何が必要なのか」を調べた研究があります。様々な年代の独り暮らしをする240人に、「どんな風に孤独を感じているか」という質問に答えてもらい、「孤独度ポイント」を算出しました。

アンデシュ・ハンセン『メンタル脳』(新潮新書)
アンデシュ・ハンセン『メンタル脳』(新潮新書)

その後、被験者には週に何度か電話がかかってきて、会話の内容は何でも良かったのですが、数分間会話をしました。そして4週間後にまた同じ質問に答えてもらい、孤独度ポイントを再び算出したところ、なんと20%も下がっていました。

電話をかけた人たちはカウンセラーや会話のプロというわけでもありませんでした。ごく平凡な17歳~23歳の若者で、事前に講習を受けたときに教わったのは次の3点でした。

・相手の話を聞く
・相手の話に興味を示す
・相手に話題を決めさせる

私たちも覚えておくと良いかもしれません。親戚のお年寄りなど、若い人と時々話すだけで元気になれる人が周りにいる場合がありますから。

アンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)
精神科医

ストックホルム商科大学で経営学修士(MBA)を取得後、ノーベル賞選定で知られる名門カロリンスカ医科大学に入学。現在は王家が名誉院長を務めるストックホルムのソフィアヘメット病院に勤務しながら執筆活動を行い、その傍ら有名テレビ番組でナビゲーターを務めるなど精力的にメディア活動を続ける。『運動脳』は人口1000万人のスウェーデンで67万部が売れ、『スマホ脳』はその後世界的ベストセラーに。