ウォーレン・バフェットとの共通点

加えて大事なのは、投資対象のビジネスモデルを理解すること。これは投資の神様、ウォーレン・バフェットにも通じる主張です。

バフェットの投資スタイルは基本的に長期投資なので、私とは異なりますが、「成長しているから株価が上がる」という考え方は同じです。

じゃあ、どんな企業が成長するかを考えたとき、ビジネスモデルがわからなければ判断のしようもありません。

バフェットはハイテク株をあまり購入しないことで知られていますが、私もIT関連株はあまり買いません。なぜなら、ビジネスモデルをあまり理解できないからです。

好きな業界は自動車や半導体といった分野です。半導体分野はかつて「日の丸半導体」と呼ばれ、日本が世界のトップを走っていましたが、そのころから株を買っています。

ちなみに現在の日本の半導体企業がパッとしないのは、企業の努力が足りないからだと思っています。いま岸田文雄首相が諸外国に日本の半導体企業への投資を呼びかけているので、大いに期待しているところです。

好きな銘柄、嫌いな銘柄

特定の好きな銘柄はありません。強いて挙げるなら「株価が上がる銘柄」が好きな銘柄です。だから、好きな銘柄は日によって変わります。嫌いな銘柄は「株価が落ちる銘柄」ですね(笑)。

とはいえ株式市場も、その時々によってはやり廃りがあるわけですが、あまりはやりに乗ることもありません。スマートフォンのゲームがはやっても、スマートフォンを持っていないわけですから、使い方も知らなければビジネスモデルも理解できませんからね。

持っている人に比べて、その良さがわからないわけです。そうなると、市場で好評で株価が上がっても、あまり買いません。自分の強みを出せる領域で勝負することも重要です。

藤本 茂(ふじもと・しげる)
トレーダー

1936年、貧しい農家の4人きょうだいの末っ子として生まれる。高校卒業後ペットショップに勤務。そこで証券会社勤務のお客と出会ったことから、19歳で投資を始める。その後、雀荘を経営しつつ株式投資に打ち込み、1986年に転換社債の投資を機に専業投資家となる。3台のパソコンとモニターで常時80銘柄ほどチェック。資産18億円を築き、月6億円分を売買する。テクニカル指標を重視し、命の続く限り現役デイトレーダーを続ける意気込み。