※本稿は、藤本茂『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)の一部を再編集したものです。
株で勝つための「心・技・体」
私は、株は「心・技・体」が求められるものだと思っています。
「心」は株価の値動きに一喜一憂することなく、その場で最適な行動をとることができる冷静な心。「技」は「ここだ」というときに売買する技術。「体」は健康な身体と資金面での体力の2つの意味を持ちます。
どの要素が欠けても、満足のいく結果は出ないでしょう。
心や技については、経験を重ねるしかありません。私より頭のいい人はたくさんいるかもしれませんが、私より経験がある人はまずいません。株に対する心の在り方も、ちょっと自信があります。
私は自他ともに認めるくらいの毒舌家ではありますが、思いどおりにいかないからといって、ペースを崩すことはありません。「絶対に勝てる」「絶対にこうなる」という思い込みは危険です。いついかなるときも“油断しない姿勢”が必要です。
株を始めたいと思うなら、最初は自分の好きな株を買うのでも、誰かの真似をしてみるのでもいいでしょう。どんなに頭のいい人でも、考えるのとやるのとでは、ぜんぜん違います。
自分のお金を使わないと、本気になるわけがありませんよ。
脳梗塞、心筋梗塞に見舞われながらも株取引に復帰
体力は、なるべく衰えないように、自分で気をつけるしかありません。たしかに年齢を重ねるにつれ、できなくなることも増えます。それは仕方のないことです。
病気も増えます。私自身、大きなところでいうと、2016年には脳梗塞を発症しました。麻雀をして外から帰ってきて、寝て起きたら病院にいました。女房が、大きないびきをかいて寝ていた私を見て、「これはおかしい」と思い、即座に救急車を呼んでくれたんです。
女房の判断のおかげで、一命をとり留めることができました。脳梗塞が起こると、筋肉が緩んでしまうので舌根が沈み、大きないびきをかくことが多いそうです。病院に入院する羽目になりました。
退院してひと安心、と思ったら、翌年には心筋梗塞に見舞われました。血流を守るために、いまも心臓の冠動脈に3cmほどのステント(狭くなった血管を内側から広げるための網目状の筒)が入っています。しかし、これだけの病気を繰り返しても、脳の機能に問題がなかったのは、本当によかったと思います。
頭が回らない、手が動かないといった事態になれば、株取引ができませんからね。