今の自分にぴったりの家を買うのは正解?

「今、自分が欲しい家」より「未来で誰かが欲しくなる家」を買う

【相談者A】家を買ったほうがお得かも……と思っていたら、ちょうど近所の不動産屋さんに、こんな物件情報が貼ってありました。駅から徒歩15分なのはちょっと遠いけど、世田谷の閑静な住宅街の中にあって新築、1K、30平米、4000万円! 今の職場にも通いやすいし、まさにぴったりかなと思ったのですが、どうでしょう?

家を買ってみてもいいかも、と思ってくれたのは前進ですが、それはダメ! あなた向けの家ではありません!

家は不動産である以上、「どこにどんな家を買うか」が最も重要です。

そこでここからは、具体的にどこにどんな家を買えばいいのかをお伝えします。相談にきた女子たちが、単身者用のマンションで1R~2LDKを購入するときに、実際にアドバイスしている内容です。

2023年の今からずっと未来に伸びている道路
写真=iStock.com/Marut Khobtakhob
※写真はイメージです

よくやってしまう「間違った家選び」

まず、先ほどの女子をはじめ、みなさんがよくやってしまう「間違った家選び」から話します。

それは、「今」の自分のライフスタイルで家を選んでしまうことです。

繰り返しになりますが、大前提として、家は不動産です。何があっても、「動かない」資産です。

一方、ライフスタイルは、将来、いろいろな事情で自分の意志にかかわらず変化します。たとえば、転職・倒産・リストラ等で職場が変わったり、結婚・離婚したり、家族の人数が増えたり減ったり……。

私が家選びをお手伝いした女子たちも、ほとんどが購入時点から、転職、結婚、出産等でライフスタイルが変化しています。

ですので、人生の変動要因を加味せずに、「今」の自分のライフスタイルで家を選ぶのは極めて危険です。もし、「今」の自分のライフスタイルに合わせて家を購入すると、

勤務先が変わって、家と職場の距離がめちゃめちゃ遠くなった
独身でいるつもりが結婚することになった
一緒に住み始めたら、狭いだけじゃなく、とにかく2人だと住みにくい家だった
離婚をしたいが、家のローン問題で離婚がスムーズにできない
テレワークになって、昼間家にいると、音が気になる

などの問題が後々起こりやすくなります。そしていざ、そういう事態になり「家を売らなければ」となっても、そこは「あなたの今のライフスタイル基準の家」。

「売ろう」「貸そう」と思っても、立地や間取りの関係でなかなかできない可能性があるのです。