メールやメッセージ、チャットなどのやり取りを残しておくことはもちろん、口頭で受けた指示も、あえて「先ほど言われた○○に関して、私は○○や○○などの懸念を持っていますが、ご指示があったので作業を始めます」など、メールなどで送って、自分が懸念点を伝えたことを記録に残しておきます。こうした記録が、のちのち最大の防御となるはずです。

1対1のシチュエーションで伝えない

普段は、ここまででお話ししたような、「論破しようとしない」「記録に残す」といったコミュニケーションで何とか対応するとしても、他部署や取引先に迷惑をかけ、その責任を部下に転嫁するなど、あまりにひどい場合は、上司に直接進言しなければならなくなることもあるでしょう。その時には、1対1のシチュエーションでは伝えないよう、気を付けてください。

たとえば、1対1で「この納期はちょっときついですよ」と伝えても、「他の人はできている」「みんな頑張っているのに、そんなことを言うのはお前だけだ」などと突っぱねられてしまいます。ですから、同じ思いを持つ仲間を集め、複数で訴えることをお勧めします。問題だと考えている人が複数いることをわかってもらうのです。また、複数の人がその場にいれば、あとで「そんなことは聞いていない」などの言い逃れがしにくくなるはずです。

責め立てず、下手に出る

伝え方は、非常に難しいところです。部下の側も、これまでの不満がたまっていますから、つい、相手の誤りを責め立てたくなるところですが、この先も上司と部下の関係が続くことを考えると、関係性を悪化させるのは避けたいところです。

こういった上司は、自己評価が高くプライドが高いことが多いので、責められれば感情的になって、余計に態度を硬化させるでしょう。

ここは自分の怒りをぐっと抑えて、下手に出ながら伝える方が得策です。「期待に応えられず申し訳ありません。私もみんなも、あなたの要求に応えようと頑張っていますが、なかなか難しく、疲弊しています。何とかやり方を見直していただけないでしょうか」といった姿勢で伝えてみてください。