悠仁さまを取り巻く現実
悠仁殿下は、そうした真偽入り乱れた秋篠宮家バッシングの渦中に、思春期を過ごされつつある。それも、ご自身がスマートフォンやパソコンで、ご一家やご自身を攻撃するさまざまな情報・言説に直接、触れられる環境にある。
のみならず、悠仁殿下の学校での同級生やその保護者、先生方も当然、同じくそのような情報・言説をたやすく見聞きできる。その事実も、もちろん悠仁殿下ご自身はとっくにご存じのはずだ。
これは、まだ17歳になられたばかりのお若い悠仁殿下にとって、かなりお辛い現実ではあるまいか。
佳子さま一人暮しの背景
さらに、眞子さまのご結婚をめぐる経緯に関わって、見逃せない事実がある。それは、悠仁殿下が大好きだったお姉さま方と、同じく尊敬すべきご両親との間に、齟齬が生まれたらしいことだ。
秋篠宮殿下と眞子さまは以前、とても仲の良い父娘でいらした。しかし、ご婚約内定への逆風の中で、秋篠宮殿下はご自身が皇嗣であり、筆頭宮家の当主でもあられるという公的なお立場を優先された。先に述べたように、眞子さまのご結婚にともなう儀式をすべて行わないという、苦渋の決断を下されたのだ。
一方、佳子内親王殿下は終始、お姉さまの眞子さまに寄り添う姿勢を続けておられる。眞子さまのご結婚当日(令和3年[2021年]10月26日)に、当時、秋篠宮家の皆さまが住んでおられた御仮寓所の玄関で、佳子殿下から眞子さまに近づいて抱擁された。あの時の印象的なお姿は、ご自身のお気持ちをストレートに表現されたものだった。
そこに、ある種の“溝”が生まれてもやむを得ないだろう。佳子殿下が改修の終わった秋篠宮邸に移られず、分室でお一人暮しを続けておられる背景には、そうした事情も透けて見える。
それは単純に、どちらか一方だけが正しいとか間違っている、という話ではない。
しかし、このことは悠仁殿下のお心に浅くない傷を残す結果になっているのではあるまいか。あるいは、それは外部からのバッシング以上にお辛いことなのかもしれない。
次の天皇は悠仁さまになるのか
悠仁殿下は、現在の「男系男子」限定という皇位継承のルールを前提とすれば、継承順位が第2位(次の次の天皇)というお立場だ。しかし、これまで繰り返し指摘してきたように、現時点で継承順位が第1位とされている秋篠宮殿下は、天皇陛下よりご年齢がわずか5歳お若いだけ。だから、陛下がご高齢によって退位される頃には、同じくご高齢になっておられる。
そうであれば、不測の出来事でも起こらないかぎり、秋篠宮殿下が実際に即位されることは考えにくい。
特別な事情があれば、皇室典範第3条の規定によって皇位継承の順序は変更可能。なので、今のルールが維持された場合、天皇陛下の次に直ちに悠仁殿下が即位されるという展開もありえる。
しかしそのケースでは、父親の秋篠宮殿下は天皇を経験しておられない。そうすると、悠仁殿下が「天皇」のお務めやお立場について、身近に実感的な理解を得られることは至難だろう。