ドイツ人は「何歳だから」という考え方とは無縁
「35歳になったら、二人ぐらい子供がいるのが当然」と思いながら今まで生活してきたならば、35歳になって子供がいなければ、悩む場合もあるでしょう。ドイツ人の場合は、「何歳でこうあるべき」という考え方をあまりしないので、よほど子供好きの人でなければ、35歳で子供がいなくても、日本のように深刻に悩むことはないわけです(もちろん人によりますし個人差があります)。
そのような流れから、「この年齢になったら、孫がいるはず」という考えもドイツにはあまりないため、子供に「早く子供を」と迫る親はあまりいません。
自分のことを考えるときに「30歳なのに独身」「35歳なのに子供がいない」というふうに自分で自分を苦しめているのだとしたら、そんな必要は全くないわけです。
悩みの発端となりやすい「何歳のときにはこうであるべき」という呪縛からいったん離れてみませんか。
私自身は「ドイツと日本のハーフ」という立場であることから、「ふつうのドイツ人」や「ふつうの日本人」と違うことを長年悩んできましたが、この「ふつうはこう」という「常識」から離れたときに、自分のペースで歩き始めることができた気がします。
ドイツ・ミュンヘン出身。日本語とドイツ語の両方が母国語。自身が日独ハーフであることから、「ハーフ」にまつわる問題に興味を持ち、「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。著書に『体育会系 日本を蝕む病』(光文社新書)、『なぜ外国人女性は前髪を作らないのか』(中央公論新社)、『ほんとうの多様性についての話をしよう』(旬報社)など。新刊に『ドイツの女性はヒールを履かない~無理しない、ストレスから自由になる生き方』(自由国民社)がある。 ホームページ「ハーフを考えよう!」