食事は大皿でどん!
何と、おおらかな家庭だろう。食事も大皿にどんと出て来るだけ。取り分けはしない。
「私、基本、大雑把なんですよ。なので、ボーンと出して、あとは食べなさいという感じ。食べられなかったら、もう、その日のご飯はない感じですね」
それは、子どもの側もガッテン承知。
「お皿がどーんと置かれるだけなので、それを自分でちゃんと食べなければ、その日の食事に在り付けない。みんな、やっぱり、生存するためにはどうするかという感じで。そこで、それぞれ強くなるんですかね」
それが、藤井家の暗黙のルールだった。
「何をしても、悪いことでなかったら、親としてはあまり言わなかったですね。習い事もそうです。いつの間にか柔道はやってましたね」
この柔道も強制されたものではないと、親さんは言う。
「母親が『見学に行くか?』となって、見学に行って、やるかやらないか聞かれるから、興味があればやると。これをやらないといけない、というわけではないんです」
適当で大雑把だが、ちゃんと見ている
「適当」、「大雑把」と言いながら、7人の子どもそれぞれの特徴はちゃんと見ている。
「それぞれに特徴がありますし、いいところも欠点もあります。だから、それをうまく利用して、いい点を褒めてやると喜んでやりますし、それはいいことやと思いますよ」
いいところをちゃんと見て、それを言葉で褒める。簡単なようで難しい。でもそれが一番、子どもにいいように思う。