思い込みや価値観を形成する3つの期間

■刷り込み期(0~7歳)

7歳までは、身の周りの出来事すべてをスポンジのように吸収し、それらは真実として脳に刷り込まれていきます。

特に、両親からの影響を強く受けるため、親の思い込み、価値観から生活環境まで、この時期に見たもの、聞いたこと、感じたものすべてが子どもの思い込みや価値観を作り上げていくのです。

「あなたはとっても素晴らしい!」などプラスの体験が多い子どもは、プラスの思い込みが作られて自己肯定感が高まります。

これは、お金に関しても同様です。

注意すべきはネガティブな体験です。

「あなたは本当にダメな子だ!」と言われて育った子どもは、深刻なトラウマを抱えることになります。

まだ幼いから分からないだろうと思って、お金をめぐって夫婦で頻繁に言い争ったり、「お金は不幸のもとよ!」と口癖のように言っているとしたら……。

大人が思う以上に、子どもの脳の吸収力は高いもの。悪いお金の記憶や思い込みが、子どもの脳に深く刻まれていくのです。

■モデリング期(8~13歳)

小学2年生~中学1年生くらいになると、お手本を見つけて真似するようになります。これをモデリングといいます。

お手本は、尊敬する先生や友達、会ったことのない有名人や歴史上の人物などです。

刷り込み期のように盲目的に信じるのではなく、自分に合うか確かめながら、お手本の価値観や立ち振る舞いなどを吸収していきます。

同時に、あまり好きではない価値観や生き方も明確になってきます。

自分が好きな価値観と、そうではない価値観とを比較しながら、自分なりに解釈をした思い込みが形成されていきます。

■社会化期(14~21歳)

中学2年生~21歳は、主に仲間から大きな影響を受けます。

自分と似た価値観の人と付き合う一方、人間関係が広がるにつれて、さまざまな価値観、思い込みに触れる機会が増えていきます。

そして、たくさんの経験の中から、プラスの思い込み、マイナスの思い込みが作られていきます。

このように、人はさまざまな経験を通して自身の価値観を作り上げていきますが、これは「よほどの出来事がない限り、子どもは両親と同じ思い込みを持つ確率が高い」ということも示しています。