上司の機嫌が悪く見えると、部下は「自分は悪くない」と思う

①最後まで話を聞いたうえで「今後はこのように報告して」と指導するリーダー
②最後まで話を聞かずにイライラした口調で指導をするリーダー

どちらのリーダーの指導が効果的か、よく考えてみましょう。

②の部下になると、「機嫌の悪いときに話しかけたから怒られた」と、自分の報告のまずさを省みることもなく、「イライラしがちな上司と非のない部下」という勝手な解釈をします。これも問題なのです。

話を最後まで聞かない上司のもとでは、仮に報告の仕方を上司が指導したとしても、部下が素直に改善する可能性も低くなります。

忙しい普段の会話から気をつけるのは難しいかもしれません。だからこそ、最初は「ミーティングのときだけ」でかまいません。話を最後まで聞くミーティングを繰り返すことで「普通にできる」に少しずつ変わります。「聞く力を持つリーダー」になりましょう。

議論が活性化するかどうかは「場作り」にかかっている

また、ミーティングで活発にアイデアや解決策が出るかどうかは、リーダー(進行役)の「場作り」に大きな影響を受けるのは、皆さん容易に想像できると思います。

僕はクライアント先のミーティングで図表1のような投げかけをしています。キーワードは「無責任でOK」「人と違って当たり前」「質より数が優先」「自由」です。

アイデアを出すために考えて書く場合は、「他の人はどんな内容を書いているのか」「自分だけ的外れなことを書いていないか」と、最初は誰でも不安になります。その不安をなくすのです。

矢本治『なぜミーティングで決めたことが実行できないのか』(日本実業出版社)
矢本治『なぜミーティングで決めたことが実行できないのか』(日本実業出版社)

一般的に、部下は上司の顔色をうかがいながら仕事をし、日々のコミュニケーションも上司の「答え探し」をするケースが多いです。

過去に否定されたり、怒られた経験があり、それがいつしか「何を言えば穏便にすむか」に注目するようになるからでしょう。部下が本来持っている様々な視点や情報を引き出し、個々の「考えるカ」をレベルアップさせるには、そうした“答え探しの呪縛”から解放してあげるのが大切です。

心理的安全性を確保して、「人と違うことでも安心して発言できる雰囲気」にすることがリーダー(進行役)の役割になります。

矢本 治(やもと・おさむ)
ミーティングコンサルタント

愛媛県でホテルマンとして勤務後、2004年、関東のブライダル・レストラン運営会社に営業部長として転職。設備投資や人員の入れ替え、安売りをせず、ミーティングのやり方を工夫して売上を3年間で3倍の9億円以上に。取締役での退任時には20億円近くまでアップ。2010年、チームサポートプロを設立。日本初のミーティングコンサルタントとして多種多様な業種の企業をサポート。著書に『「15分ミーティング」のすごい効果』(日本実業出版社)。