変化の速さに対応する実行力も生き残りの重要ポイント

僕は全国のクライアント先に向かう移動手段として電車をよく利用します。電車の中で座っている人たちを見ていると、時代の変化がよくわかります。

昔、サラリーマンが新聞を読んでいる光景が目立ちました。その後、スマートフォン(以下、スマホ)が登場すると、紙の新聞を読んでいる人は、ほとんどいなくなりました。

スマホを手にしている人も、当初はテキストやインスタグラムなどの画像を見ていましたが、今はYouTubeやTikTokなどの動画を見ている人が増えました。

コロナ前と後のたった2、3年でも、環境が様変わりしたのは記憶に新しいところです。皆さんのそれぞれの業界も変化したでしょうし、なかった場合は変化の波がこれから必ずやってきます。

事業計画に関する会議
写真=iStock.com/kazuma seki
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ビジネスツールなどの多様化も軽視してはいけない

変化の速さに加えて、今は複雑に多様化していることへの対応も迫られています。例えば連絡ツール。これは僕自身の体験ですが、会社を設立した13年前は、クライアント先の皆さんとの連絡は電話を除けばメール1択でした。

矢本治『なぜミーティングで決めたことが実行できないのか』(日本実業出版社)
矢本治『なぜミーティングで決めたことが実行できないのか』(日本実業出版社)

今、連絡手段はチャットが主流です。LINEワークス、LINE、チャットワーク、Googleチャット、Messenger……、クライアント先に合わせていくと、ツールがどんどん増えていきます。同じ会社で複数のチャットを同時活用することも珍しくありません。

こうなってくると「前回送ったメッセージは、どのツールの、どのグループに送ったのかな?」と探したりする煩雑さがあります。

しかし、ちょっとしたやり取りはもちろん、決断や共有が、どこでも素早く確実にできるメリットも享受しています。

このように「変化が速く」「複雑に多様化」していることが、実行力重視に拍車をかけています。つまり現状維持は後退となるため、企業は常に行動が必要なのです。

矢本 治(やもと・おさむ)
ミーティングコンサルタント

愛媛県でホテルマンとして勤務後、2004年、関東のブライダル・レストラン運営会社に営業部長として転職。設備投資や人員の入れ替え、安売りをせず、ミーティングのやり方を工夫して売上を3年間で3倍の9億円以上に。取締役での退任時には20億円近くまでアップ。2010年、チームサポートプロを設立。日本初のミーティングコンサルタントとして多種多様な業種の企業をサポート。著書に『「15分ミーティング」のすごい効果』(日本実業出版社)。