「非公開」だから言語化できる

素直な言葉を綴る。

それはとても難しいことです。

ブログやSNSでも「公開」で投稿しようとするとき、つい分別のある人ぶって書いてしまうという経験が、誰しもあるのではないでしょうか?

感謝していないのに、感謝したふり。
わかっていないのに、わかったふり。
怒っているのに、怒っていないふり。
恋しているのに、恋していないふり。
心が動いているのに、動いていないふり。

SHOWKO『私らしい言葉で話す 自分の軸に自身を持つために』(CCCメディアハウス)
SHOWKO『私らしい言葉で話す 自分の軸に自身を持つために』(CCCメディアハウス)

これでは心は言語化されないまま、どんどん置いてきぼりにされてしまいます。モヤモヤをきちんと言語化することは、自分の感情をよく見つめるということです。言語化するために感情を整理したあとには、以前よりも自分の気持ちが理解できるかもしれません。

「非公開」のノートに書いた日記は、「自分に宛てた出さない手紙」です。

自分の気持ちを知り、理解することは、自分をいつくしみ、大切にするきっかけになります。そして、「自分の言葉」を持つ、確かな土台になっていきます。

SHOWKO(しょうこ)
陶芸家

SIONE主宰、スプリングショウ代表取締役。京都で330年続く茶陶の窯元「真葛焼」に生まれる。佐賀での陶芸の修行を経て、2005年、京都で自身の工房をスタート。2009年に法人化し、「読む器」をコンセプトにした陶磁器ブランドSIONEを立ち上げる。銀閣寺の近くに直営店をオープンし、ミラノ、パリ、中国、台湾、他、活躍の幅を世界に広げている。著書に『感性のある人が習慣にしていること』(クロスメディア・パブリッシング)がある。