40歳以降のダイエットで避けたいのが「痩せたけれど老けてしまう」こと。あすけん管理栄養士の道江美貴子氏は、「油は摂りすぎれば肥満や生活習慣病のリスクを高めますが、適度な摂取はむしろ美容と健康に欠かせません。また、プロテインは補助食としては便利ですが、過剰摂取は腎臓に負担をかけるため、頼りすぎるのは少々危険です」という――。

※本稿は、道江美貴子『国内最大級の食事管理アプリ「あすけん」公式 結局、これを食べるが勝ち』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。

0kcal食品を食べるイメージ
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「油は悪者じゃない」正しく選ぶコツは?

「太る」「体によくない」と、悪者にされることの多い油。1g9kcalのエネルギーがある脂質は、1g4kcalの炭水化物やたんぱく質と比べると、確かに高カロリー。

当然、摂りすぎれば肥満や生活習慣病のリスクを高めますが、適度な摂取はむしろ美容と健康に欠かせないため、「痩せたけれど老けた」というダイエットあるあるを防ぐためにも完全なオイルカットはおすすめしません。

脂質はホルモンや細胞膜の材料になり、内臓を守ります。またビタミンA、D、E、Kといった油に溶ける性質を持つ「脂溶性ビタミン」の吸収を助け、体温の維持にも不可欠!

また脂質は少量でも腹持ちがよく、効率のよいエネルギー源です。脂質の摂取目安は、1日の目標摂取エネルギーの20~30%程度。この範囲内で、できるだけ体にいい油を摂るのがポイント。

いい油とは? 基本知識を押さえて

脂質には種類があり、大きく飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の2つに分けられます。飽和脂肪酸は肉類や乳製品、バターなど動物性食品に含まれる油。現代人は摂る機会が多く、肥満や血管の老化、生活習慣病を招きやすくなるため、控えめを心がけて。

一方の不飽和脂肪酸は、魚や植物性の食品に多く含まれる油で、血圧や悪玉コレステロール値を下げる働きがあり、健康維持に欠かせない存在。不飽和脂肪酸には、オメガ3、オメガ6、オメガ9の3つがあり、それぞれに特徴が異なります。

3つの油を「バランス良く」摂る

オメガ3

オメガ3は、マグロや鮭、サバなどの青魚やアマニ油、エゴマ油などに含まれる油で、DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれます。

認知症の予防をはじめ、生活習慣病や血栓の予防も期待できます。熱に弱く酸化しやすい性質があるため、干物のような酸化した食品や加熱調理には注意が必要。刺身や真空状態が保たれたサバ缶、ツナ缶は、調理なしで酸化していない油が摂れるので便利。

オメガ6

オメガ6は、大豆油やコーン油などのサラダ油に多く、悪玉コレステロールを減らして血流を改善します。オメガ6は摂りすぎると、悪玉だけでなく善玉コレステロールも減ってしまうので、摂りすぎには注意が必要です。

オメガ9

またオメガ9は、オリーブオイルなどに豊富で、善玉コレステロールを減らさずに悪玉だけを減らすため、血中コレステロールを適正に保つ働きが。

じつは、オメガ3とオメガ6は体内で作ることのできない必須脂肪酸。ゆえに食べ物から摂る必要がありますが、現代の食生活では、オメガ6を摂りすぎる傾向があります。炒め油などはオメガ9のオリーブオイルに替えるなどの工夫を。

逆にオメガ3は不足しがちなので、意識して摂ることが大切。オメガ3とオメガ6は、1対4の割合で摂るのが理想的です。

【図表2】【あすけんDATA】健康系オイルの登録件数ランキングTOP3
※ココナッツやパームに含まれる「中鎖脂肪酸油(Medium Chain Triglycerides)」だけを取り出した食用油のこと(出所=『国内最大級の食事管理アプリ「あすけん」公式 結局、これを食べるが勝ち』)

※【あすけんDATA】について:『あすけん』に登録された45億件を超える食事記録データをもとに、食品ごとに登録件数を集計しランキングを作成。ダイエットや健康管理に取り組む『あすけん』ユーザーの皆さまが日常的に食べている食品群を紹介しています。