都合の悪い情報と真に対峙できなければ投資はしない

私の場合、「これはヤバいとの直観」は、契約特典がドンドン豪華になってきたこと(お肉以外の特典がドンドン出てきたこと)」でしたが、その直観は、人それぞれです。

それは、たまたま目にした「ネット上での、自転車操業の疑い」かもしれませんし、ふと耳にした「業界内での、肉の品質の悪さについての酷評」かもしれません。

いずれにせよ、「これはヤバいとの直観」、すなわち「都合の悪い情報に向き合う、強烈な動機付け」がないと、都合の悪い情報はスルーするものです。

とりあえずは目に(耳に)入っても、心にまでは届きません。

しかし、都合の悪い情報としっかり対峙しないと、最悪の結果になる可能性もあります。実際、前述の通り、安愚楽牧場は破綻したわけです。

私の場合、運よく、「これはヤバいとの直観」を得ることができ、都合の悪い情報にしっかりと対峙することができました(投資をしてしまってからではありますが)。

しかし、そんな「ヤバいとの直観」が得られず、都合の悪い情報にしっかり向き合うことができていない場合は、それがどれほど魅力的な投資であっても、その投資は避けた方が賢明かもしれません。

藤原 久敏(ふじわら・ひさとし)
ファイナンシャルプランナー

1977年大阪府大阪狭山市生まれ。大阪市立大学文学部哲学科卒業後、尼崎信用金庫を経て、2001年に藤原ファイナンシャルプランナー事務所開設。現在は、主に資産運用に関する講演・執筆等を精力的にこなす。また、大阪経済法科大学経済学部非常勤講師としてファイナンシャルプランニング講座を担当する。著書に『株、投資信託、FX、仮想通貨… ファイナンシャルプランナーが20年投資を続けてみたらこうなった』(彩図社)など。