自分自身に対して意思表示することが必要

私たちは、時には、はっきりとした意思表示が必要です。

たとえば社会人として、就業時間後に大学院で学ぼうと決めたら、夜のお供はしていられないと宣言することになるでしょう(本当にそうするときには、伝え方には十分に気をつけないといけませんが)。

そのときには飲みニケーションの人たちが、あなたの決意をすんなりと認め、応援してくれるとは限りません。

彼らは相変わらず頻繁に飲み会を行って、それに参加しないあなたのことをわるく言うかもしれません。

しかしながら、ここで大事なのは、彼らがあなたの言動についてどう感じるかではなく、あなたが自分の時間をどう使いたいかを彼らに(そして誰よりもあなた自身に対して)はっきりと意思表示することです。

どっちつかずの中途半端で、飲みニケーションの人たちも満足させられず、自分自身も不満タラタラというのは感心しません。そうした姿勢でいると、飲み会は悩みの種であるまま、変わることはないでしょう。

社会人をやっていれば、たまにはくだらない誘いもあることを承知し、悩んでいる飲み会のことについては、今の状況が、今後それをどう扱うかを決めるよい機会だと捉えましょう。

そして、それは飲み会をする人たちの顔色を見て決めることではなく、あなたがご自分自身との話し合いで決めることだと認識したいところです。

バーで乾杯する3人のサラリーマン
写真=iStock.com/maroke
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後輩から誘ってもらえる先輩を目指す

しかし、そんなあなたにも会社の中に、一緒に飲みに行きたいと思う人はいるのではないでしょうか。

上司や先輩にも、お酒を飲みに、あるいは食事に連れていってもらい、話を聞かせてほしいと思う人がいるはずです。

私もメーカー勤務時代には、(相手が偉い立場の人すぎて実現しませんでしたが)どうやって事業を大きくしたのか、若い頃はどんなことを考えておられたのかなど、ぜひゆっくり伺ってみたいと思う人がいました。

私たちも、できれば後輩から、飲みに連れて行ってほしいと思われる先輩になるのを目指したいものです。

それが実現したときは、そうした後輩との飲み会を有意義に感じることができるでしょう。

松崎 久純(まつざき・ひさずみ)
サイドマン経営・代表

もともとグローバル人材育成を専門とする経営コンサルタントだが、近年は会社組織などに存在する「ハラスメントの行為者」のカウンセラーとしての業務が増加中。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科では、非常勤講師としてコミュニケーションに関連した科目を受け持っている。著書に『好きになられる能力 ライカビリティ』(光文社)『英語で学ぶトヨタ生産方式』(研究社)『英語で仕事をしたい人の必修14講』(慶應義塾大学出版会)など多数。