「キャリアの伴走者」「応援してくれるサポーター」に
●自分の「ファン」になってもらう
転職エージェントも「人間」であり、感情を持っているということを意識してください。
情報やサービスを提供したときに、「ありがとうございます」という一言があれば、転職エージェントもやはりうれしいものです。「お忙しそうですが、お身体に気をつけてください」などの言葉をかけられれば、「気遣いができる人」と好印象を持ちます。自身のキャリアを発展させようとする強い意志、あるいは「こんな仕事をして人や社会の役に立ちたい」といった意欲に触れれば、「ぜひ実現させてあげたい」と、サポートへのモチベーションが高まります。
つまりは、転職エージェントを「業者」と捉え「サービスを提供して当たり前」といった態度をとる人よりも、人と人としてのコミュニケーションをとってくれる人に対して、「ぜひお手伝いをしたい」と思うものです。
そうした人間関係、信頼関係を築くことを意識しながら接することで、転職エージェントといいお付き合いができ、転職成功にもつながるでしょう。
人生100年時代と言われる今後、生涯のうち何度も転職を重ねる人が増えていくと見込まれます。1回かぎりの転職活動のサポートにとどまらず、生涯にわたって「キャリアの伴走者」「応援してくれるサポーター」となってくれる関係を築いてはいかがでしょうか。
なお、最近では、「みんなのエージェント」のように、求職者と転職エージェント個人をマッチングする「口コミ評価型」のプラットフォームも登場しています。「大手エージェントに登録したが、担当者を信頼できない」といった不満を持つ方は、自らエージェントを選び、指名できるサービスを利用してみるのもいいでしょう。
構成=青木典子
1970年生まれ。93年リクルート人材センター(現リクルート)入社。2017年morich設立、CxOレイヤーの採用支援を中心に、企業の課題解決に向けたソリューションを幅広く提案。NPO理事や社外取締役・顧問等も務め、パラレルキャリアを体現した多様な働き方を実践。NHK「プロフェッショナル~仕事の流儀~」出演。日経オンライン等のWeb連載のほか『本気の転職』等著書多数。2022年2月、日経新聞夕刊「人間発見」の連載にも取り上げられる。二男の母。