大多数が「準備ゼロ」で面接に臨む
「書類選考なしで面接に進める」というのを売りにした求人がありますが、その逆はありません。適性検査も、課さない会社は多くあります。最も重要なのは面接なのです。
応募書類は手間暇をかけ、さらに添削など専門家の支援を受けると、選考を通過できるレベルまで向上できます。しかし、面接は同席して代わりに話してもらうわけにはいかず、自身の力だけで何とかしなければなりません。つまり、面接対策が成功転職の鍵なのです。
だからこそ、面接対策に比重を置いて準備すべきなのですが、大半の人は準備ゼロで面接に臨んでいます。だから不採用が続くのです。
逆に言えば、しっかり対策をすれば、それだけで抜きん出ることが可能になるわけです。
本書には、ミドル世代の転職を支援してきた、筆者の約20年のノウハウを余すことなく詰め込んでいます。ぜひ、『受かる書き方』とセットでお読みになって、ミドル世代に必要不可欠な「転職スキル」を身につけて、チャンスをつかんでください。
面接まで来ればあと一歩
ミドル世代にとって、転職したくてもなかなか決まらないのは、よくあることです。
経験が問われる上、年齢という要素も加わるので、そもそも応募できる求人が乏しいのは仕方ないことです。
さらに、企業側は即戦力か否かをシビアに見定めるので、「なかなか転職が決まらない」というのは、ごく普通のことです。
ただ、面接まで進めたとなると話は別。採用される確率が非常に高いということです。
というのも、転職がうまくいかない最大の要因は、そもそもターゲット選定を間違えていて、全く合っていない所に応募すること。だから書類選考で弾かれまくるのです。
なので、そこを通過して面接までたどり着いているなら、あともう少しなのです。
言うまでもなく、リアルに双方向のコミュニケーションをとれる場が面接です。ミドルなら商談や会議、プレゼンを含め、類似したコミュニケーションの場を何度も経験しているはずです。
ただし、楽観視は禁物。本書を熟読して、想定される質問への回答案を書き出す等、準備を怠らないようにしましょう。もちろん、こうした面接対策を行った方が、内定獲得率が高くなるのはおわかりだと思います。
私の実感になりますが、面接対策を全く行わずに面接に臨むミドルは約8割。
となると、きちんと準備をすれば上位2割に入れるわけです。
NTTでSE、リクルーターを務めた後、1社で採用人事を含む経営企画を担当。2004年に独立開業。社労士として埼玉、東京を中心に中小企業の労務顧問を多数担い、2社の人事部長を任される等、現場最前線で人事労務コンサルを実践、労務問題と解決策を熟知。特に「モンスター社員」対策に精通。キャリアカウンセラーとして埼玉県教育委員会や自治体が運営する就労支援機関、4つの大学のキャリアセンターでの勤務を通じ就職支援実績が豊富。日本では数少ない、応募者と採用者の両面を熟知する存在。NHK、読売新聞、マイナビ転職等マスコミ取材実績多数。著書に『面接官が本音で教える集団面接・GD完全対策マニュアル』、『20代~30代前半のための転職「面接」受かる答え方』(秀和システム)等がある。